子どものため、自分のことは二の次にするしかない

もし、収入が増えたら、クラリネットを買いたいですね。音楽が好きなんです。良いものは100万円するから、夢のまた夢です。

小林美希『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』(講談社現代新書)
小林美希『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』(講談社現代新書)

まずは子どもたちの学費を払わないと。自分のことは二の次です。なんといっても2人が私立大学に行ったら、年間120万~130万円の学費を4年、それを2人分ですから。

大学、無償化されないんでしょうか。学費……本当にヤバいです。児童手当って、なんで中学を卒業する年齢で終わるんですかね。お金がかかってくるのは高校生からなのに。悲しくなりますね。

夫がまた転勤になるとつらいです。子どもたちの進路があるから、ついては行けないです。でも、夫が単身赴任すれば二重生活になって生活費が大変なことになる。転勤の辞令が出ないことを祈るばかりです。

小林 美希(こばやし・みき)
労働経済ジャーナリスト

1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年よりフリーのジャーナリストに。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。