【TOPIC6】お金
女性管理職が使えるお金は増加
なかなか聞きづらいが気になる他人の財布事情。管理職の年収や資産、ポケットマネーを聞いた。
管理職の収入(Q17)や総資産(Q18)は相対的に男性のほうが高め。男性のほうが上の役職に就いている割合が多い背景もあるだろう。
しかしながら、コロナ禍で経済の停滞が問題視される中でも女性たちは男性よりも自由に使えるお金が増えたと答える人は多く、特に女性管理職に多かった(Q19)。月のポケットマネーが15万円以上という女性管理職が3割近くいた(Q20)。
「男性管理職は家計の中心を担い、一方で女性管理職は共働きなどが多く結婚していても同じ収入の男性よりは自由に使えるお金が多いのかもしれません。日常生活が多忙な分、食事や高機能な家電などにお金をかけて、過ごす時間に価値を見いだしているのかもしれません。学びやスキルアップなど自己研鑽にもしっかり投資し(Q21)、将来への蓄えも考えている様子が伝わりますね」
多少の男女差がありつつも、今回の調査全体を通して見えてきたのは、管理職になったことへの肯定的な姿勢だ。特に女性管理職はその傾向が強く、仕事での大きな自信にもつながり、さらなる飛躍へと前向きだ。
「女性の管理職が少しずつでも増えてきた効果は、旧態依然としていた日本の会社をも変えつつあります。2020年代のなるべく早期に管理職の3割を女性にするという政府目標は、やはり組織に女性管理職が一定数いることで良い変化が起きるという近い未来への期待でもあるのです。意思決定の場に女性が増えることで、発言や行動がしやすくなる。社員全体の働きやすさ改善にもつながっていくので、女性もどんどん手を挙げてほしいですね」
※単位はすべて%。小数点第三位以下の数字は四捨五入しているため、合計が100%にならないグラフがあります。
調査概要:2021年12月3〜13日に「プレジデント ウーマン」および「プレジデント」のメールマガジン読者へのWebアンケートを「Questant」を用いて実施。有効回答数は1765件。調査対象者の内訳は、男性1271人/女性521人、管理職1260人/一般社員407人。
東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部部長
早稲田大学卒業後、資生堂に入社。資生堂で男女共同参画、ワーク・ライフ・バランス環境の整備をリードし、女性活躍、男性育休などを先進的に取り入れる。2011年に東レ経営研究所に転職し、行政、民間企業、労働組合などのダイバーシティ推進、業務効率化などの支援を行う。
イラスト=シュクヤフミコ