返礼品が受け取れない3つのパターン

さて、今回の失敗は(いつもの投資の失敗に比べれば)かなりソフトな失敗なので、あまり参考にならなかったかもしれません。

なので、私の失敗以外にも、よくある返礼品絡みの失敗をいくつか紹介しましょう。

中には致命的な失敗もあるので、大いに参考にしてください。

自治体に寄附をしても、必ずしも返礼品を受け取れるわけではありません。以下のようなケースの場合は、要注意です。

・返礼品なし(不要)コースへの寄附
災害支援など、「返礼品なし(不要)」コースへの寄附は、当然返礼品はありません。

・同じ自治体に年2回以上寄附をした場合
2回目以降の寄附については、返礼品を受け取れない自治体もあるので要注意です。

・自分が住んでいる自治体への寄附
原則として、居住自治体への寄附は、返礼品は受け取れません。

返礼品によっては、発送時期が決まっているものがあります。

たとえば、イチゴは1月~3月頃、モモは8月~9月頃、リンゴやミカンなら12月以降といった感じで、旬の美味しい時期に送ってくれるケースが多いです。

それを知らずに(申し込んでから気づいて)、悶々と数週間、数カ月、申し込み時期によっては1年近くも待つことになると、ふるさと納税の楽しさも半減です。今日申し込んで明日届くようなネットショッピングのような感覚で返礼品を選ぶと、そんな落とし穴にハマってしまうので要注意です。

年末に枠が余った場合におすすめの返礼品

ふるさと納税のメリットを最大限生かそうとするのなら、年間の寄附額を、自身の上限寄附額(実質負担2000円となる寄附額)ピッタリに合わせることです。

前述の通り、上限を超えると「実質負担2000円では済まない」ですし、上限に満たないと「せっかくの控除枠がもったいない」ですから。ピッタリ合わせることは無理だとしても、できるだけ、上限ギリギリに合わせたいと思う人は多いことでしょう。

ただ、その上限額がハッキリするのは、1年間の収入、ひいては税金が確定する年末です。なので、年末ギリギリになって、寄附先や返礼品を選び始める人も少なくありません。

しかし、ただでさえ忙しい年末ですから、それで慌てて焦ってしまい、たいして欲しくない返礼品を選んでしまうなどの失敗してしまうことも少なくありません(実際、私もそうでした)。また、年末になれば、人気返礼品は品切れになっていたり、希望する返礼品の発送時期が過ぎていたりといったデメリットもあります。

正確な上限額は年末までわかりませんが、ある程度の見込みであれば、年の途中でもわかるはずです。

ですので、年末まで何もしないのではなく、余裕のあるときに、ボチボチ返礼品を申し込むように心がけたいところですね。

それでも、年末時点で上限枠が相当余ってしまった場合には、返礼品をポイントで受け取り、後から、好きな商品と交換できる「ポイント返礼品」も検討の余地ありです。

今年も年末が迫り、ふるさと納税への関心がピークとなっている今、今回のコラムが少しでも参考になれば幸いです。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。