さらにめんどくさい「打たれ弱いタイプ」
もう一つは、最初のタイプとは真逆で、すぐにめげてしまう、打たれ弱いタイプです。「数字が間違っているから直しておいて」といった、本当に簡単な注意だけでめげてしまい、泣いてしまう。うまくできなかったことにショックを受け、すぐに涙ぐんでしまうのです。
そういう人に対しては、上司は何も言えなくなってしまいます。正直いうと、めんどうくさい。それ以上何も言えなくなりますし、「何も指示できない」と思ってしまうかもしれません。
最初に挙げた、すねたり拒否したりする部下は、口が立ちますし、上司に対して反抗的に見えるので、めんどうではありますが働きかけもしやすいところがあります。一方、すぐにめげてしまう打たれ弱いタイプは、言葉をかけるなどの働きかけが非常にしにくく、上司も困り果ててしまいます。意外とこのタイプは多く、頭を抱えている上司は多いようです。
こういうタイプは、自分に自信がなく、いつも「ミスをしてしまうのではないか」と不安に思いながら仕事をしています。そして、そこでミスを指摘されると自分を責め、落ち込んで手が止まってしまうのです。
「泣くな」はNG
上司としては、つい「泣くな」と言いたくなるところですが、これは言ってはいけません。本人も、我慢できるものなら我慢しているはずです。
こういったタイプの人は、これまでミスをしたり失敗したりしないように、自分の能力に合った世界だけを選んできて、そのまま社会人になってしまったケースが多いようです。少し背伸びをして、これまでやったことがないことにチャレンジし、失敗したりミスをしたりしながら成長するといった経験に乏しいのです。
しかし社会人になると、周りの求める能力や期待に応えるために、失敗を乗り越えながら頑張ることが必要になります。失敗しても、めげて泣いたりして手を止めてしまうことなく、ミスを挽回して前向きに頑張れるようになってもらうためには、まずは安心して失敗できるように、本人の存在を認めてあげることが必要です。