日本はAIで年平均成長率3倍の試算も…

アクセンチュアとフロンティア・エコノミクスの共同報告書では、テクノロジー活用が遅れている日本は、AIによる成長余力が高く、2035年までの年平均成長率は約3倍に達すると試算しています。

アクセンチュアは、2035年まで年平均0.8%にとどまる見込みの日本の成長率について、AIを十分に活用できれば、これを2.7%まで引き上げられる、としています。AIなどのテクノロジーを各業種で活用することによって、事業を継続できるどころか、成長を促進することができるというのです。

RPAによって多くの定型業務は自動化できます。今後はAI搭載ロボットも続々と登場し、人間以上の認識や予測、実行ができるようになります。RPAやAIは、人間と違って24時間働き続けることができます。そうなると、人間が週5日も働く必要がなくなる会社も出てきます。

社員が週休3日でも会社の収益が伸びていけば、社員の給与を下げる必要はありません。給与が下がらない週休3日の会社があれば、魅力を感じた労働者が押し寄せるでしょう。少子高齢化で人材獲得競争が激化する中にあって、「週休3日・給与変わらず」の待遇で採用活動が優位になることは間違いありません。

もちろん、すべての業界、すべての人が週休3日制になるなどとは思っていません。それでも、週休3日制は働き方の1つの選択肢になっていくことは確実です。

「新しい働き方」を5年半実践してみた

そこで、私は2017年に創業したクロスリバーで、こうしたテクノロジーを活用した新しい働き方(「Web3の働き方」と呼んでいます)を実践してみました。週休3日・複業・完全リモートワークを続け、この原稿の執筆時点で、5年半にわたって継続しています。

気づいたら「DAO」を実践していたことになります。

DAOとは「分散型自律組織」のことを指し、次の3つを表す単語の頭文字を取っています。全員フラットな関係性で中央に権限が集中しておらず(Decentralized)、全メンバーが自律的に行動して自走する(Autonomous)組織(Organization)である、ということです。

また、「複業時代が来る」と予測していたので、複業でないと入社できないルール、つまり専業禁止としました。クロスリバーのメンバー全員がほかにもメイン業務を持っています。