1着のワンピースだけで100日過ごした
実は、私も制服化をする前は「そんなに少ない服で過ごしていけるはずがない!」と思い込んでいました。しかし、実際に1着の服で過ごしてみるとその考えは杞憂でした。
私が制服化したきっかけは「1着のワンピースだけで100日過ごしたこと」から始まっています。真剣に考え抜いて見つけたワンピースを着たときに「もうこの服しか着たくない」と感じたのです。その1着を見つけたことで心が満たされて、「今までなんとなく着ていた服」を全て手放すことができました。「このワンピースよりも好きだと思える服しか買わない」という基準が明確になったので、自然とたくさんの服を所有したいと思わなくなりました。
そこから同じように気に入ったものを1セットずつ増やしていって、「一年3セットあれば、不便なく心が満たされた生活ができる」という状態になりました。3セットは絶対ではないのですが「自分の中でのミニマムな服の数」で生活がしたいと考えたら、私の中での最小の数がたまたま3セットになったのです。どの服も心から気に入っていて毎日不便なく過ごしています。
3セットの内訳は?
例えば、①パンツスタイル ②スカートスタイル ③ワンピーススタイルにしてもいいですし、①黒のワンピース ②赤のワンピース ③花柄のワンピースとワンピースだけで3セット選んでもいいのです。インナーやアウターの合わせ方で温度調節すると、一年中快適に過ごせます。ぐっと「3セット」のイメージが膨らんだと思いませんか?
もちろんその方の状況によって「一年3セット」は少なすぎて難しい……という方もいらっしゃいます。そんな方は「週3セットのスタイリング」で考えたらどうでしょうか? 週に2~3日同じ服を着ても困ることはほとんどないと思います。
私のお客さまには「女優、医師、会社員、学生から主婦まで」さまざまな生活環境の方がいらっしゃいますが、「制服化してみたら週3セットのスタイリングで十分でした」と口を揃えておっしゃいます。
慣れてきたら月3セット、4カ月で3セットという少ない数の服で過ごせるようになります。ただこの3セットというのはあくまで目安です。例えば、「どうしても週に1回しか洗濯できない!」「子供が小さくて毎日カットソーを3回着替えている!」という状況の方には心地よく暮らせる最低限の着数をおすすめしています。自分に最適な数量を理解しているというのも大切なことなのです。
実際にはたくさんの数の服を持っていたとしても「自分の定番スタイリング」を3セット決めることで服選びがとても楽になります。
一年3セットの服だけで生きる。1985年、東京生まれ。2008年、日本女子大学家政学部被服学科卒業後、都内百貨店に入社。パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。独特のファッション論を情熱的に語るnoteが話題となる。