事前準備をするしかない

企業研究をするときは、ホームページに書かれた企業理念や事業紹介を読み込んだり、求人サイトやコーポレートサイトの社員インタビューに目を通すことはもちろん、会社代表や面接官の名前で検索してみたり、取材記事やプレスリリースなどに目を通しておくことは基本中の基本です。こうして相手企業の情報に触れることで、自然に聞きたいことが生まれてくるはずです。転職エージェントやキャリアコンサルタントとの、面接の予行演習も役立ちます。

逆質問は、単に「知らないことを聞く」だけのものではありません。時には質問に対する回答よりも、相手企業や業界への理解の深さや、仕事に対する姿勢が伝わってしまう重要なものです。相手からの質問に答えるだけでなく、こちらからも質問を投げかけて対話を重ねることで、より自分の魅力を相手に伝えることができますし、相手企業の理解も深めることができるはずです。

「どんな面接でも攻略できる」といった万能薬はありませんが、一番重要なことは事前準備を怠らないことです。

新卒の頃は皆さん、たくさんの時間をかけて業界や企業について研究をしますが、社会に出るとなかなか当時のような熱量を持って準備をするのは難しいかもしれません。しかし、中途採用の面接で失敗しないためにも、自分の経験を過信せず、企業研究や業界研究をしっかり行って、スマートな「逆質問」ができるよう準備をしておきましょう。

江﨑 麻里奈(えさき・まりな)
キャリアアドバイザー、SHE inc. 事業推進 GM

短期大学を卒業後、自動車会社の事務職や美容業界でカウンセラーとして勤務。2016年〜2020年まで株式会社キャリアデザインセンターCAマネージャー。中途採用領域のキャリアアドバイザーとして通算1万名を超える求職者の相談や面接対策トレーニングを担当。その後HR Tech企業を経て現在は教育・コミュニティ事業を運営するSHE株式会社に勤務。個人の活動としてコミュニティ型転職支援サービス「転職カレッジHONEST」を主宰。その他、若手の転職を支援するキャリアカウンセリング等を実施している。