数学が苦手な場合はどうすればいいのか
【原田】でも、うちの娘は小学生で、動物とか鉱物の図鑑が大好きで、めちゃめちゃ詳しくて理系っぽいんだけれど、塾では算数の成績だけ悪い。そういう場合はどうしたらいいですか。
【中川】私がまさにそうでした。そこからなぜ苦手な数学を克服できたかというと、建築学部のオープンキャンパスで数学の授業を受けたときに、「この図がどうやって建築物に応用されるのか」ということを教えてくれたから。数学が好きなものにつながっているんだと思うと、勉強も頑張れました。前編でも言いましたが、数学は比較的、克服しやすい科目だと思います。
【井関】「女子は数学が苦手なものだ」というイメージがあるから、ちょっとつまずくとそれで理系に進むのをあきらめてしまう傾向がありますよね。男女にかかわらず、数学が苦手な人は多いのに、「女子は苦手でもいいよね、わざわざ理系を選ぶことないよね」とされてしまうのはもったいないと思います。
理系に進んでおけば、文系の就職もできる
【岡田】それに、高校生の時点で「理系の方が就職しやすい」「技術があれば結婚、出産後も復職しやすい」ということはなかなか分からないですよね。実際に大学に入って先輩の話を聞いてみないと……。私は今、就活中ですが、理系学部から文系の就職ができるということも高校生にはあまり知られていないと思います。
【井関】そこまでキャリアを明確に思い描けていない子にとっては、理系に進むことは道が絞られることになると感じられるようです。でも実際には物理を学んでも進路が狭まることはないわけです。
【原田】文系の職にも就ける。また理系から文転をすることもできますよね。つまりつぶしが効くというのは意外な盲点かもしれないね。例えば文系のイメージが強い新聞社でも科学部という部署があり、理系の人は重宝されるわけです。就職については理系が強いというのははっきりした事実なのに、リケジョが増えないのはなぜなんだろう?
【岡田】経済的な理由として、医学部は別格としても理系の学部は授業料が高いですよね。
【原田】今は親も経済的に苦しくなっているし、それもあるかもしれないね。