「ご迷惑」は便利なワード

こんな表現も

●おわび申し上げます
●何とぞお許しください(どうかお許しください)

「お許しください」は、そのままで使うとややぶっきらぼうな印象が出てしまいます。そこで「何とぞ」(「何卒」とも表記)をつけるのがポイントです。より柔らかい表現の「どうかお許しください」も使えます。

●ご迷惑をおかけしております

文例では「ご迷惑をおかけいたしました」と過去形にしましたが、「~おかけしております」と現在形にすれば、まさに渦中にある件をわびることができます。

「ご迷惑」は便利なワードです。もしかしたら、こちらは悪くないかもしれない、でも悪いかもしれない、今のところはまだ分からない――。そんなシーンでも、相手が疑っている時点で迷惑をかけています。その迷惑はちゃんと認識しています、と伝えることで関係がスムーズになります。

使い慣れておくと、役立つ機会が多いはずです。

反省していることを伝える

自分がミスをして相手に迷惑をかけたとき、反省して同じ失敗は二度としない、という意志を伝えることがあります。実際にそこそこの迷惑をかけ、こちらに改める必要がある場合の文例です。「謝り度」はさらに進んで3になりました。

件名:書類不備のおわび
いつもお世話になっております。○○社の○○です。
お送りした資料につき、ご連絡をいただきまして、まことに恐れ入ります。
資料の数字について再度確認しましたところ、ご指摘のとおり、こちらの誤記だったことが判明いたしました。あってはならない誤りであり、深く反省しております。ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません。
早急に訂正版を用意し、明日の朝までにお送りいたします。何とぞお待ちいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
おわびするべき事実を伝える

●こちらの誤記だったことが判明いたしました

こちら側の失策を記すのは気が進まないものですが、あいまいにしてはいけないところです。相手の指摘以外にも失策が見つかれば、それも具体的に述べます。

反省の気持ちを示し、相手にかけた負担を書く

●あってはならない誤りであり、深く反省しております
●ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません

こちら側がこの誤りをどう受け止めたかを述べた上で、相手にどんな負担をかけたかを短く記します。ここでは「ご迷惑をおかけし」という表現でいいでしょう。

こんな表現も

●恥じ入るばかりです

何らかのミスをしたときに感じる気持ちは「申し訳ない!」とともに「恥ずかしい!」ではないでしょうか。素直な気持ちの表現として使えます。

●ご指摘の点、深く肝に銘じます
●今回のことを今後に生かしてまいります

どちらも反省の意味で使えることばです。

注意したいのは、相手のアドバイスの種類を強調しないこと。

たとえば「お叱りは肝に銘じます」などと、つい書きたくなります。でも、「自分は叱っていないぞ」と相手は不愉快に思うかもしれません。むしろ、自分が今後どうするのかを中心に述べましょう。