特別扱いは期待できない
時々、面接で「なぜ弊社を受けてくださったのですか?」と問われて「スカウトメールをいただいたからです」と答える方がいらっしゃいます。しかし、本当にヘッドハントされたわけではなく、あくまで応募を促すスカウトメールを受け取っただけなので、「受け身な応募姿勢だ」とみなされてマイナスの印象を与えることになります。確かにスカウトメールがきっかけではありますが、「応募しない」という選択もできた中で、この会社へ応募に至った意思決定の背景を問われているからです。
スカウトメールにおける「オファー」とはあくまで「提案」です。内定獲得に至るまでは、通常の選考と同様に、職務経歴書を練り上げ、面接で何を話すかについても戦略的に考えて準備して臨みましょう。
自分の市場価値を勘違いしない
転職サービスに登録すると、思いがけず多くのスカウトメールを受け取ることになるので、「実は私は、かなり市場価値の高い人材なのではないか」と勘違いしてしまうことがあります。そして、自分の市場価値を見誤り、希望に合った会社から条件の良いオファーをもらっても「もっとほかにいい会社があるはずだ」と、辞退を繰り返してしまことも。
しかし、スカウトメールだけでは、自分の市場価値を正確に測ることはできません。スカウトメールは、必ずしも自分の経歴やスキルへの正当な評価を基に送信されたわけではないということを、知っておいてほしいと思います。
短期大学を卒業後、自動車会社の事務職や美容業界でカウンセラーとして勤務。2016年〜2020年まで株式会社キャリアデザインセンターCAマネージャー。中途採用領域のキャリアアドバイザーとして通算1万名を超える求職者の相談や面接対策トレーニングを担当。その後HR Tech企業を経て現在は教育・コミュニティ事業を運営するSHE株式会社に勤務。個人の活動としてコミュニティ型転職支援サービス「転職カレッジHONEST」を主宰。その他、若手の転職を支援するキャリアカウンセリング等を実施している。