5.仕事道具や仕事環境をないがしろにしない

多忙なのに余裕に見える人が絶対やらないことのトリは、やはり仕事道具や仕事環境の整備を怠ることでしょう。逆に言うと、好循環が続く人は、道具や環境への投資を惜しみません。私もその一人ですが、これまでの数々のトラブル経験から、その結論にいたりました。ここに手間暇をかけるかかけないかで、仕事の成否を大きく分けることになります。

たとえば仕事道具でパソコンのCPUやメモリのパワーが足りないと、作業に余計な時間がかかったり、最悪の場合は途中で固まってそれまでの仕事がパーになったりします。また、ハードディスクの容量がいっぱいで重要なソフトがインストールできず、仕事が後手に回るケースを数多く見てきました。なので、私は高い付加価値を生み出そうとする人は、日頃から基本性能の高いデジタルデバイスを利用することをお勧めしています。トラブルで失う遺失利益と、道具への出費を差し引いた獲得利益とでは、まったく比較になりません。プロのアスリートがそれなりのスパイクやグラブを使うのと同じです。

筆者が企業再生時に行った仕事環境の変革事例
図表作成=筆者

仕事環境も、余裕を生み出すための大変重要な要素です。ここで言うところの仕事環境は、主にデスクやチェア、キャビネットなどを指しますが、特にデスクスペースが広いと精神面でも作業空間的にも余裕が生まれるので、私としてはできる限り広く(最低幅140cm以上)とるようお勧めしたいところです。最近では安価で高品質なデスクも出てきていますので、昔ほど購入に躊躇しなくて済むのではないでしょうか。

さらに私の机の上は、今取り掛かっている仕事以外のものは一切置かないため、常に集中すべきことが明確で、仕事の生産性向上と安定性維持に役立っています。

小さな仕組みが余裕を生み出す

以上、「超多忙なのに余裕に見える人が絶対にやらない5つのこと」についてご紹介しましたが、今思うと私も無意識のうちにこの5つを実践していたかもしれません。謎解きゲーム企画やDXコンサルティングの会社を経営するかたわら、執筆や公演、企業研修、若手起業家の支援など、幅広い活動を行っているため、はたから見ると多忙な人のように思われがちですが、きちんとプライベートの時間も確保していますし、コロナ禍で大会が中止になる前はトライアスロンの試合にも参加できていました。

結局のところ、余裕を生み出すのは、小さな仕組みと、ちょっとした心がけ次第なのではないでしょうか。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役

外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。