コーチが無抵抗の部員に暴力をする動画が投稿され、問題になっている秀岳館高校(熊本県八代市)の男子サッカー部。スポーツライターの酒井政人さんは「これは秀岳館高校だけの問題ではない。ある調査では、運動部活動経験者3638人のうち、約2割が過去にプレー中のミスなどが原因で体罰を受けたと回答。また、体罰を受けた後、精神的に強くなったと感じている人が約6割、半数の男性が運動部活動中の体罰・暴力が『必要』だと答えている」という――。

秀岳館高校コーチ暴力問題は「氷山の一角」だ

秀岳館高校(熊本県八代市)の男子サッカー部のコーチが無抵抗の部員を殴ったり蹴ったりする動画が出回り、スポーツ界が揺れている。

その後、部員11人が顔や名前を明かして、「非は自分たちにある」といった趣旨の発言をして頭を下げる動画がサッカー部の公式ツイッターに投稿されたが、翌日には動画が削除されるなど、同部の対応も混乱を極めているようだ。

同校サッカー部の公式ホームページによると、2021年度に所属していた部員は200人以上で、監督を含めて15人ほどのコーチがいるという。全国大会に出場経験のある熊本県内屈指の強豪チームに何が起きているのか。

サッカー部の関係者は、FNNの取材に対して、「暴行を受けているのはサッカー部員で、コーチの生徒への暴力行為は日常茶飯事」と話している。

一方、サッカー部の段原一詞監督はメディアを通じて、「今回の暴行動画のようなシーンは見たことがありません」と暴力が日常的ではなかったことを否定した。しかし、段原監督とみられる男性が、今回の映像の投稿者らを激しく罵倒する録音が公開されるなど、今回の暴行事件の闇は深い。

さらに入学を控えて入寮した中学生に対して、上級生が暴行したことも報じられた。運動部活動の現場では“暴力の連鎖”がとまらないようだ。