会議で発言する際言ってはいけない枕詞とは

本稿を読んでいる若手の方(もしくは若手としての意識がある人)は、例えば、会社が若手に意見を求める時、打ち合わせの場で意思表示をする時、それはまさにあなたの言葉を投資するタイミングであることを肝に命じて欲しいのです。

もし何もしなかったら、あなたは投資の機会を逃したことになります。そもそも、金融市場に自分の持ち金を入れる投資と違って、組織内での発言によって失うものは少ないはずです。いいアイディアや意見で印象づけられたらなおよし。仮に場違いなコメントで失笑を買ったとしても、多くの心ある上司ならまず「自分の意見を述べたその勇気と姿勢を評価する」はずです。

ビジネスミーティングで、グラフを使って説明するビジネスマン
写真=iStock.com/SARINYAPINNGAM
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会議中、発言をせずに黙っていると、

不思議に思われる

不気味に思われる

不快に思われる

不要に思われる

というプロセスを踏んでしまうのです。

発言することは時に怖いものですが、「自分はこう思う」という枕詞まくらことばをつければ、それはあなたから生まれたまぎれもない意見です(ただし「個人的には」という枕詞はやめましょう。自信のない、責任逃れの発言に聞こえます)。

言葉の投資にも、逸失利益が存在するのです。このことを念頭に置いて、時が来たら、勇気を持って言葉を投資してください。

そのためには、そう、これまで述べてきたように、「自分のことを整理し、相手のことを愛情を持って知ろうとし、良い準備をしておくこと」につきるのです。

勝浦 雅彦(かつうら・まさひこ)
コピーライター、法政大学特別講師、宣伝会議講師

千葉県出身。読売広告社、電通九州、電通東日本を経て、現在、電通のコピーライター、クリエーティブディレクター。15年以上にわたり、大学や教育講座の講師を務める。クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、ADFEST FILM 最高賞、Cannes Lions など国内外の受賞歴多数。著書に『つながるための言葉』(光文社)、『ひと言でまとめる技術』(アスコム)がある。