攻撃的な上司編
投げやり上司の物言いにはトゲを抜いて返す
「もうやってらんないよ。こんなミーティング自体、時間のムダだよ」なんて言われると、こちら側もあわてて「そうはおっしゃいますけど、そもそも○○さんが……」と返したくなりますが、冒頭でお伝えしたとおり、トゲにトゲを返しても得することはありません。
特に攻撃的な人は打たれ強いので、1返せば10返ってきます。ですから「ミーティングの進め方を工夫しろというご指摘ですよね。何とか、それにお応えしたいと思います。次回までにちょっと工夫してきます。でも今日は、あと10分どうしても付き合っていただきたいです。まだ決めないといけないこともありますので」などと、ふっとトゲを抜きましょう。ボールはすぐに返さず、いったん受けとめて、ドリブルしてから返すわけです。
あまりにヒートアップしてしまったら「今すぐ○○さんを満足させられる答えは見つからないので、少し時間をもらっていいですか」と、ひと呼吸おきます。そうすると、相手もいくらか落ち着くことがあります。
また攻撃的な人は、くすぐられ弱いので「ありがとうございます」「とても助かります」などと言うと、戦意喪失し、うれしくなります。しょっちゅうは使えませんが、たまに感謝の言葉を伝えたり、サンキューノートを渡したりすると「えっ? この人わかってるじゃん」と効果てきめん。攻撃的な人は根底に認められたい気持ちがありますので、そうやって受けとめて理解を示すと、攻撃が和らぐでしょうね。
締め切りが前倒し! むちゃぶり上司にもううんざり
来週末までと言われたはずなのに「やっぱり今週末までにやってほしいんだよね」。こんなむちゃぶりをしてくる上司の場合、「だって○○さん、言いましたよね、来週の金曜日って。メールにも書いてありますよ、ほら……」なんて言質をとって追い込むのは絶対にNGです。そうではなく「どうしたんですか」「突然、何かありましたか」と、まず相手の事情を聞く。攻撃的な人こそ、認めてあげることが重要です。尻込みせずに、まず相手に寄り添って、相手側の背景に興味・関心を示すことが大切なのです。そうすると、相手はクライアントのアポが1週間早まったとか、社長のチェックが必要になったといった状況を説明してくるでしょう。
そのうえで「来週末までの締め切りは守ろうと思って、準備を進めているところでした」と伝えれば、来週末までの約束だったことは確認できるのです。「でも緊急事態なんですよね」と寄り添い、こちらができる選択肢を渡します。そうすると相手は十分理解されてからの選択肢と受けとめるので、こちらの提案を聞いてみようかなという気になるのです。重要なのは、こちらが事情に関心を示して聞いたというプロセス。聞きもしないで、いきなり代替案を出すと、むしろ相手を怒らせます。
たとえ攻撃的な相手でも、プロジェクトのゴールに関わっている当事者同士という意識をもって、いったん受けとめて興味・関心を示し、自分の現状を伝えながら提案していく。これがむちゃぶり上司に対するベストな対応策でしょうね。