メルカリのIPOで投資資金が1.6倍に増えたことも

IPOはめったに当選せず(私の実感だと、100回に1回当たればよい方)、当選してもハズレ銘柄の可能性が極めて高く、また、その抽選申込作業は面白くもなんともない、ただただ単調で面倒な作業。しかも、今回のアルマードのようにハズレ銘柄で損をすると、大きな心理的ダメージを被ります。

正直、心が折れそうになるでしょうし、実際、心折れてIPO投資から手を引く人も少なくありません。私も、何度も心折れそうになりました。

しかし、アタリ銘柄(初値が高騰する銘柄)が当選する可能性も、極めて低いとはいえ、決してゼロではありません。

実際、私自身、過去にはリプロセル(公募価格3200円⇒初値1万7800円)やメルカリ(公募価格3000円⇒初値5000円)といった大アタリ銘柄に当選、大儲けしたこともあります。

直近だと、大儲けではないですが、2021年12月24日に当選したサスメド(公募価格1410円⇒初値1500円)は、ささやかなクリスマスプレゼントとなりました。そんな嬉しい経験があるからこそ、今でもひたすら、IPO投資を続けているわけです。

強靭な精神力で誘惑を振り切れるなら大当たりも夢ではない

IPO投資でやることとは、とにかくひたすら抽選に申し込むこと。そして当選してもしっかり吟味して、ヤバいと思えばスパッと辞退、強靭な精神力で振り切り、アタリ銘柄の当選を根気よく待つのみ(今回はそれができずに失敗したわけですが)。

いわば、ボール球には(どれだけ魅力的だと思っても)手を出さず、打てるストライクをひたすら待つこと。ただ、そのチャンスは無制限で、何度でもバッターボックスには立ち続けられるわけです。

それができるのであれば、IPO投資とは、極めてローリスクで、ハイリターンが期待できる投資の一つと言えるでしょう。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。