当選した株はハズレの可能性大。IPO投資の「残念な真実」

ここで一つ、IPO投資の「残念な真実」を語りましょう。それは、これだけIPO人気が過熱する中で(異常に高い抽選倍率の中で)、当選したとしても、それはハズレ銘柄の可能性が高いということです。なぜなら、公募価格を下回る可能性の高い銘柄は不人気なので申し込む人も少なく、競争率が低く当選しやすいからです。

冒頭にて、「IPO投資は9割儲かる」と書きましたが、それはあくまでも数字の上であって、そのような事情から、実質的には5割儲かるかどうかというのが私の実感です。なので、当選しても、あらためてその銘柄をしっかりと吟味することが大切で、ヤバい(初値が公募価格割れの可能性大)と思ったら辞退することも考えなければいけないのです。

とはいえ、せっかく当選したIPOを辞退するなど、なかなかできないのも事実です。ヤバいとは思っても、「いや、でも、ひょっとしたら……」との希望を頼りに、思い切って購入してしまいます。

イタい目に何度も遭わなければ、辞退する勇気は生まれない

実際、私自身、過去に何度も「これはヤバいかな」というIPO銘柄に当選しつつも、どうしても辞退できずに、公募割れのイタい目に遭っております。そんなイタい目に何度も遭って、ようやく当選辞退できるようになったのは、わりと最近なのです。

実は、今回当選したアルマードも、公募割れの匂いはプンプンしており、ヤバいとは十分にわかっておりました。なので、いつもなら、スパッと辞退するところでした。

しかし、年々過熱するIPO投資に落選続きの中での本当に久しぶりの当選に、その判断が大いに鈍っていたのでした。数カ月ぶりの当選の2文字に、これまでの努力が報われたような気がして、全身が熱くなったのを覚えています。

そして、当選辞退することは、そんな努力を否定するようで、どうしてもできなかったのです。そんなことから、ヤバいなと思いつつも、今回はスパッと辞退することができず、購入と辞退との間で、気持ちはせめぎ合うのでした。そんな心境ですから、なんとか無理矢理、購入の理由を見いだそうとするわけです。

つまり、マイナス材料には目をつむって、なんとかプラス材料をほじくり出そうとするわけで、そんな状況においては、当初は微妙極まりないと思っていた「卵殻膜原料を活用した」とのフレーズが魅力的に思えてくるから不思議なものでした。

つまりは、自分勝手な解釈で見事玉砕、今思えば、穴があったら入りたいところです。

と、IPO投資の夢を打ち砕くような内容でしたが、私のような残念な結果とならぬよう、反面教師にしていただくべく、書かせていただきました。