IPO株は儲かる可能性が高いが購入は抽選になるため、なかなか当たらない。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「裏技はないが当選しやすくする方法はある。それを続けることで私は500万円の利益を確保した」という――。
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写真=iStock.com/GaudiLab
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東京メトロ株で20万円以上の儲け

昨年10月23日、東京地下鉄(メトロ)が上場したことは、記憶に新しいかと思います。その知名度は言うまでもなく、超巨大かつ超安定企業で配当金も高く、NISA口座にうってつけ。また、機関投資家・外国人投資家からの人気も高く、大注目の中での新規上場でした。

その上場当日、私はパソコン前で、初値(上場直後につける株価)がいくらになるか、固唾をのんで見守っていました。なぜなら、私はその東京地下鉄の株式を、上場前に500株入手しており、すぐさま、初値で売却するつもりだったからです。

ちなみに、入手した際の公募価格(上場前に購入できる株価)は1200円。その初値がいくらになるのか……ドキドキ、ワクワクしていました。

これはいわゆるIPO(新規公開株)投資といわれるもので、新規に上場する株式を、上場前に公募価格で入手して、上場直後につけた初値で売却する投資法です。これは知る人ぞ知る投資法で、私のようなIPO投資愛好家は少なくありません。

そして、その注目の初値は1630円と、公募価格を3割以上上回る結果となりました。そして私は、この東京地下鉄のIPO投資により、20万円以上の利益を手にすることができたのでした。

IPOは約8割の確率で儲かる?

一般に、新規に上場する株式について、その公募価格は、(実際の企業価値に対して)低めに抑えられる傾向にあります。ですので、上場直後につける初値は、その公募価格を上回るケースが多くなっています。

ちなみに2024年には86社が新規上場しましたが、そのうち初値が公募価格を上回った銘柄は64社と、4社に3社の割合となっています。中には、光フードサービス(公募価格2660円⇒初値5850円)やイシン(公募価格1080円⇒初値2234円)のように、公募価格の2倍以上の初値をつける銘柄もありました。

すなわち、上場前に、公募価格で入手することができれば、儲かる可能性は高いわけです。そのためには、取り扱いをしている証券会社に申し込むことになりますが、当然、とくに人気のある銘柄については申し込みが殺到します。ですので、多くの証券会社では、抽選が行われます。