上をめざしたいかどうかは、意欲の限界ではなく企業風土

「もっと上のポジションに上がりたいか(Q7)」への回答は、「はい」と「いいえ」が約半々と拮抗きっこうしている。「いいえ」の理由でいちばん多かったのが、「今の職場では限界がある」というもの。言い換えれば、もっと上のポジションをめざしたいが、現状、何かしらの障害があり、難しいと感じているよう。昇進する意欲はあるが、企業側の受け入れ体制に限界があるのだろう。企業文化はまだまだ男性中心。その中で、少しずつ女性管理職を増やすことが大切だと白河さんは説く。

Q5よかったと思うことは?
Q6よかったと思うことはどういうこと?
Q7もっと上のポジションに上がりたい?

「大抵の企業の女性比率は3割ほど。社員の7割が男性なので、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)が働いても仕方のない状況。それが女性の働きにくさや昇進の難しさになっていることもありますね。でも、女性の意識を変えるのではなく、周囲が変わり、女性管理職が活躍できる風土になれば、管理職になりたいと思う女性も、もっと女性管理職を増やしたいと思う企業も増えるはず。本人の意思だけでなく、女性に管理職として働いてもらうために、会社が何をするべきかを考えなければ、優秀な人材を確保することはできないでしょう」

「プレジデント ウーマン」では、過去、同様のアンケートを何度か行ってきた。その際、ときどき見られたのが「女性活躍推進の名目で選任された」という意見。2015年に女性活躍推進法が制定されて以来、こういった意見がよく見られたが、今回のアンケートではとても少なくなっていた。企業側も女性管理職登用に向け、人材育成を進め、ムリに人材をあてがう必要がなくなってきたことも要因としてあるのだろう。時間はかかっているが、女性が活躍できる環境整備が少しずつ進んでいることも今回のアンケートでわかった。