今年、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した茜灯里さんは、高校生のときに、「科学エッセイを書く」という目標を立てたと言います。そのためにエスカレーターで入った大学を辞め、「1年だけ」と親に頼み込んで東大を目指すことに。合格を勝ち取った勉強法とは――。
目覚まし時計と本
写真=iStock.com/nipastock
※写真はイメージです

いくつもの顔を持つ小説家

時は2024年、再び東京で開催されたオリンピックにて、「新型馬インフルエンザ」が発生。さらにそれらが変異し、未知なるウイルスが現れて――。そんなタイムリーかつセンセーショナルな小説『馬疫』にて、話題を呼んでいる茜灯里さん。大学教員であり獣医師、さらに小説家という肩書きも手に入れた“華麗なる人生”と思いきや、これまでの来し方はあまりに波瀾万丈。その「まっすぐではない生き方」に宿る、深き人生訓とは。

――「第24回日本ミステリー文学大賞新人賞」を受賞した茜さんの近未来小説『馬疫』には驚かされました。舞台は2024年、パンデミックのさらなる猛威でパリ五輪が中止になり、再び東京にてオリンピックが開催。そこで馬の感染症が発覚し、人々が翻弄されるなか、若手研究者たちが立ち向かっていくというストーリーです。