定期的な仕入れ先見直しで1億円のコストカット
他にも、仕入れ先の見直しは原価削減につながる。
だから定期的に行っている。規模が小さいときに取引を始めた仕入れ先は、小ロットが前提の高い単価であることが多い。そのまま発注数が増えると、支払いが高額になる。そこで見積りを取り直したり、仕入れ先を見直したりすることで、1億円程度の原価の削減ができることがある。
また、決済手数料は大きな注文連動費だ。
年間100億円の売上に対して実は莫大な決済手数料がかかっている。
2~3%とすると、カード決済手数料を年間2~3億円払っている。それを交渉し、0.1%減っただけでも、1000万円の注文連動費の削減になる。
このように様々なコスト削減策を考え、年間1~3億円のコスト削減アイデアが出る。
「コスト削減キャンペーン」の真の狙い
コスト削減キャンペーンを経験すると、社員のコスト意識が高くなる。
無駄な発注が極端に減る。
決裁者は、新しくコストをかける稟議申請が回ってきたとき、「これに経費を使ったら、今年のコスト削減キャンペーンの議題に上がるのではないか」とすぐ頭に浮かぶようになる。
同時に、毎年様々なコスト削減手法を経験しているので、
「この施策は、こうすることで経費をかけずにできないか」
「この施策とこの施策を同時に行うことで、半分のコストでできないか」
「この施策の費用対効果はどう考えているのか」
など、稟議のたびに、コスト削減キャンペーンレベルで判断できるようになる。
一度、コスト削減キャンペーンに本気で関わった管理職は、適切な決裁をするようになる。その姿勢により、全部署にコスト意識が伝わっていく。このようにして徹底して無駄金を使わない組織ができるのだ。この話を友人の経営者との情報交換や講演などでよく話す。そして多くの経営者が自社で実施したことで絶大な効果があったことを報告してくれる。この「コスト削減キャンペーン」は、ぜひ今すぐやってほしい。
1968年、神戸生まれ。株式会社エフエム・ノースウェーブ取締役会長。リクルート勤務後、2000年に北海道特産品販売サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げる。2002年、北海道・シー・オー・ジェイピーを設立(2009年に北の達人コーポレーションに商号変更)。史上初の4年連続上場。株価上昇率日本一(2017年、1164%)、社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(2020年、113.7倍、在任期間8.4年)。著書に『売上最小化、利益最大化の法則 利益率29%経営の秘密』(ダイヤモンド社)など。