糖質を“買っている”のではなく、“買わされている”
加えて、現代社会は、脳の報酬系によるドーパミンの分泌が極端になり、糖質依存症へ突き進む条件が揃っています。
過去の私の著書でも何度か述べていますが、今は多くの食べ物が工業製品となっています。
食品メーカーにとって最も理想的なビジネスは、消費者が何度もリピート購入してくれる商品をつくりだすことです。
そのためには、世の中に糖質依存症を増やすのが手っ取り早いのです。
たとえば、コーラはその典型です。コカコーラは、1886年に薬剤師のペンバートンが発明しました。当初はコカインを含むコカの葉の成分が含まれていましたが、さすがにそれは取り除かれ、今のコカコーラは「カラメルE-150d」という色素と企業秘密の香料を加えたただの砂糖水です。原材料費も安く、とても効率的なビジネスモデルです。
もっとも、私はコカコーラを非難したいわけではありません。企業として利益を追求するのは当たり前のことですし、それはコカコーラに限ったことではありません。
安価でお腹いっぱいになるピザや菓子パン。
冷凍で使いやすい餃子、焼きそば、うどん。
コーンシロップをたっぷり入れた清涼飲料水。
小麦粉やジャガイモからつくられるスナック菓子。
これらは、消費者が喜んで繰り返し買ってくれるから、スーパーやコンビニでも売られているわけです。
なぜ、繰り返し買ってしまうのかについて、「美味しいから」というのは表面的な解釈で、正しくは「糖質依存症になっているから」です。
瞬間的に血糖値上昇を引き起こす「危険な飲み物」
つまらないことで糖質を摂ってしまう習慣の筆頭が、ちょっと一休みしたいときの缶コーヒー、清涼飲料水、エナジードリンクなどです。
たとえば、500㎖のコーラは57g(角砂糖14個分)の砂糖が入っています。概して炭酸飲料は糖質含有量が多いのですが、炭酸の爽やかさや、酸味料などによってそれがごまかされてしまうのです。
ポカリスエットのようなスポーツ飲料もしかりです。とくに夏は熱中症予防のためにスポーツ飲料をよく飲む人がいますが、水で十分です。
こうした飲料は、液体であるために胃での消化を必要とせず、すぐに小腸で吸収され、あっという間に血中にブドウ糖が溢れます。結果、血糖値スパイク(急激に血糖値が上昇すること)を起こし、糖尿病にもかかりやすくなります。
まずは、こうしたものを一切やめ、水かお茶に変えましょう。
コーヒーや紅茶を飲むときに、砂糖を入れるのはやめましょう。
スーパーに行くときは、あらかじめ買うものを決め、それだけを購入するようにしましょう。さもないと、つい糖質たっぷりのものを買ってしまいます。