今すぐやめるべき習慣
たいした用もないのに、コンビニに立ち寄るのはやめましょう。寄ればつい、スイーツコーナーに足を運んでしまうでしょう。
そして、美味しそうな新商品を見たら、脳は「早くそれを買って食べろ」と指令を出します。
普段から、身の周りに甘いものや炭水化物を置かないことも大事です。お菓子やカップ麺の買い置きはやめましょう。
要するに、ダイエットは自分の脳との闘いです。「糖質を摂れ」という脳の指令を、いかに聞かずに済むかという工夫が必要なのです。
できれば周囲に、「糖質制限でダイエットする」と宣言しましょう。そうすれば、出張のお土産のお菓子もパスできるはずです。
ダイエットで大事なのは「続ける」こと。時間がかかることを前提とし、途中で失敗してもくよくよせず、また続ければいいのです。
こうして、焦らずに糖質摂取量を減らしていけば、あなたは確実にやせることができます。
どうしたらリバウンドを避けられるのか?
太っていた人がやせてとてもきれいになり、周囲を驚かせることがありますね。
でも、彼らはたいてい、再び周囲を驚かせます。「あれだけ苦労してやせたのに、なんでまた戻ってしまったの」と。おそらく、本人も残念でたまらないはずです。
我慢して我慢してやせたのに、そのすべてを水の泡にしてしまうのは、一時的に体重は落としたかも知れないけれど、糖質依存症に陥った脳を治していないからです。
糖質依存に限りませんが、中毒症状から抜け出そうと思ったら一時的ではダメ。完全に抑えることが必須です。
つまり、リバウンドしないダイエットには「完全に抑えたか」の見極めが必須で、それにかかる時間をきちんと把握することが求められます。
脳は、とても緻密な器官であると同時に、変化には時間がかかります。
2009年にイギリスで行われた研究では、脳が新しい習慣を受け入れるまでに平均66日かかることがわかっています。
どんな習慣であるにしろ、「1週間で身につく」とか「1カ月で結果が出る」などとうたっているものは全部ウソなのです。
とくに、ダイエットは短期集中は失敗します。糖質中毒はコカイン中毒の8倍、依存性が高いという報告がなされています。
この現実を踏まえない限り、リバウンドしないダイエットは無理。正しい知識のもと、きちんと必要なプロセスを踏んだ人だけが成功します。
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。 2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。 著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。