専業主婦の妻がいる男性に太刀打ちできるのか

「結婚は頭で考えたらできない」「結婚は勢い」とも言われます。でも何十年も人生を共にし、しかも子供を育てるかもしれない人を勢いで考えられる気がしない。もしうまくいかなくて離婚するのは恥ずかしい。

じゃあずっと仕事中心の人生を生きるのか? たしかに仕事は大好きだし天職だと思っているけど、24時間ずっと仕事のこと考えて賞をとったりする生き方を一生続けたいのだろうか? 一度ヒット作を出しても、何度も何度もヒット作を出し続けなければ競争に勝つことはできない。誰も支えてくれる人はいないから、自分で自分を支えなければいけない。専業主婦の奥さんにサポートしてもらえる男性クリエイターに、私は太刀打ちできるのだろうか?

仕事、結婚、出産…20代で全部できるのか

もしかしたら自分は、仕事をし家庭を養う男としても不良品で、家事や育児を担う女としても不良品なのではないか? ひとつだけたしかなのは、子供を産みたいならタイムリミットがあるということ。自分は女性として不良品であるからこそ、少しでも婚活市場で価値があると言われる20代のうちに結果を出す必要があること。仕事で確固たる地位を築き、パートナーを見つけて妊娠するということを、20代のたった数年でこなさなければならない。……それはまるで時限爆弾を突きつけられているようでした。

なぜ女性だけが若いうちに出産をするという責任を押し付けられているのか? なぜ男性だけが結婚しても子供が生まれても、ライフスタイルを変えなくていいのか? もし時間制限がなければ、どんな生き方をしたかったのか? そんな発想はとうてい出てきませんでした。

20代のわずか数年のうちに仕事で結果を出して、結婚して子供を産まなければいけない。なのに私には日常的な出会いの機会がなく、彼氏もできないまま、あっという間に数年が過ぎていきました。平日は残業続きでとても疲れていたので、友達と遊ぶ約束を入れることもなく、土日は寝て過ごすことが多かったです。

たまにある合コンは千載一遇のチャンス。そもそも合コンの開かれる時間は残業していてめったに参加できない上に、私のようなキャラは「バリキャリ女子」という女の子の亜種として見られているような気がしました。私が合コン会場に入ってくるときと、かわいい「普通の」女の子が入ってくるときで、男性のリアクションが違うのははっきりとわかりました。

時限爆弾
写真=iStock.com/Zeferli
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