P/Lの販管費にビジネスの特徴が表れる

P/Lは企業の1年間の取引を記録して利益を計算した書類だ。取引によって得られた収益(売上高)とかかった費用、その結果得られた差額が利益として記載されている。

P/Lのビジュアル決算書のつくり方もB/Sの場合と同様だ。実際のセブン&アイHDのP/Lが図だ。5つの数字を抜き出して、売上高、営業収入を右側に、売上原価、販売費及び一般管理費(販管費)、営業利益を左側に分類する。

セブン&アイHDは、直営のスーパーマーケット事業などのほか、コンビニ事業や金融事業などを営んでいる。コンビニには直営店とフランチャイズ加盟店がある。金融事業の収入やフランチャイズ収入は売上高とは別に営業収入として計上されている。

このような場合は、売上高のほかに営業収入もビジュアル決算書の右側に分類して作図する。売上高と営業収入を合計した営業収益が一般企業の売上高に当たると理解しよう。なお、P/Lの数字のうち、特に販管費には、その企業のビジネスの特徴が表れる。人件費や広告宣伝費など、何により多くのお金を使っているかがわかるからだ。

ビジュアル決算書をつくる2 企業の利益構造が読み取れる