副反応は? マイクロチップは入っていないの? 不妊にならないの……? 新型コロナワクチンへのさまざまな疑問や不安に、日本とアメリカで診療にあたる医師らのチーム「コロワくんサポーターズ」が答える――。

※本稿は、コロワくんサポーターズ『日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100』(日経メディカル開発)の一部を再編集したものです。

ワクチン接種を受ける男性
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

Q. 新型コロナワクチンを接種した後に熱は出ますか?

A. 発熱は、新型コロナワクチン接種後に比較的よくある副反応です。1回目より2回目の接種後の方が頻度が高いとされていて、例えば米ファイザーのワクチンの臨床試験では、2回目のワクチン接種後に38度以上の発熱が起きた人は若年者に16%、高齢者に11%いました。また、38.9~40度の高熱が出た人は1回目の接種では0.2%、2回目の接種では0.8%だったと報告されています。ほとんどの場合は数日以内に治まりますが、症状を和らげるためにアセトアミノフェンなどの市販の解熱鎮痛薬を飲んで対応するのもよいでしょう。ただし、食事がとれない、ベッドから起き上がれないなどの重い症状が出た場合には、接種医やかかりつけ医に連絡をとるようにしてください。

Q. 新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーが起こる頻度は高いですか?

A. 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、米ファイザーの新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーが起こったのは100万回接種あたり約5人、米モデルナは約2.5人でした。また、アナフィラキシーは女性に多く、ファイザーでは90%が女性、モデルナでは全例が女性でした(2021年3月現在)。女性に起こる頻度が高い理由については、化粧品に含まれる成分が関係しているなどの可能性が考えられています。

ワクチン全般のアナフィラキシーの頻度は100万回接種あたり1.31回と推定されているので、それと比べると新型コロナワクチンでは少し頻度が高いように感じられますが、研究方法の違いで高めに出ている可能性もあります。ちなみに、感染症の治療でよく使われるセファロスポリンという抗菌薬の投与で起こるアナフィラキシーの頻度は、100万人あたり1~1000人と推定されています(幅が広いのは研究によって差があるからです)。

Q. 新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーを起こしたらどうすればよいですか?

コロワくんサポーターズ『日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100』(日経メディカル開発)
コロワくんサポーターズ『日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答! 新型コロナワクチンQ&A100』(日経メディカル開発)

A. 新型コロナワクチンの接種後に起こるアナフィラキシーは、決して頻度は高くないものの、命にかかわることもある重篤な副反応です。ただし、アドレナリン(エピネフリン)などの治療薬を用いて医師が適切に治療すれば、十分に対処が可能です。諸外国では、米ファイザー、米モデルナの新型コロナワクチンを接種後にアナフィラキシーを発症した人がまれながら見られました。大半は、症状が出たのは接種から30分以内で、死亡例はなく、全員の回復が確認されています。

このようなデータを基に日本の新型コロナワクチンの集団接種では、接種後15~30分ほどは会場にとどまってもらい経過観察をすることになっています。重度のアレルギーを起こしたことがある人は30分ほど、そうでない人も15分ほどは接種会場で様子を見てください。