男女を区別する企業は、若者から選ばれなくなっていく
【原田】昔は、男性はマッチョで女性を守れるのがいい、女性は料理ができて3歩下がってついていくのがいいみたいな評価軸があったけど、それはさすがにもうないようですね。それよりも、性格や美意識の高さなどが重視されるようになっている。こうした感覚の人が増えていけば、男女それぞれで画一的なリクルートスーツも、個々の能力ではなく性別でバランスをとろうとする風潮も変わってくるかもしれないね。
若い世代のジェンダー観は、確実に変わってきています。現状は、採用やキャリアの面ではまだ女性が評価されにくい状態が続いていますが、それは若い女子もきちんと把握している様子。現状を理解しながらも、それでもしっかり前を向いている印象を受けました。「男性だから」「女性だから」と区別して考えるような企業は、いずれ大学生から選ばれなくなる可能性が高いでしょう。彼らのジェンダー意識に追いついていくためにも、できる限り早く策を立てる必要があると思います。
構成=辻村 洋子
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト。2022年より芝浦工業大学教授に就任。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。主な著作に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが経済を動かす』(新潮新書)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)、『寡欲都市TOKYO』(角川新書)、『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)などがある。