共感はするけど、署名はリスクが高い

【斎藤】僕もそう思います。でも、Twitterで就活セクシズムの署名運動を見た時は共感しました。署名もしたかったんですが、もし就活先の企業の人の目に止まったらと思うと、実名を書くのがこわくて……。署名運動全般に言えることなんですが、実名はやっぱりハードルが高い。周りの友達も同じで「共感しても署名できない」って。

【原田】なるほど。実名を出さずに済む方法があれば、参加したいとは思っているんだね。就活の服装については、男女とも押しつけられている感はあるけど「減点されるぐらいなら無個性でいるほうが無難」ってことか。じゃあ、服装以外の面で男女不平等を感じたことはある?

Z世代女子にとって「結婚は付属品」

【安田】今は就活も男女平等だと思っていたんですけど、逆に男女比のバランスをとるために落とされることもあるみたいですね。先輩は、女子の応募が多かった企業から、採用人数の男女比バランスを理由に断られたそうなんです。採用担当者に「君は優秀で採りたいんだけど、そうすると女性が多くなりすぎるから」って言われたって。

【原田】その企業は、新卒採用を男女同数にしようとしていたのかもね。そう言えば最近、総合商社の丸紅が「2024年までに新卒採用の総合職の4〜5割を女性にする」って発表したんだ。総合商社は実はものすごい男社会だから、これはかなり衝撃的なニュースなんだよ。

ただ、今のところ企業の人事からよく聞くのは「新卒採用では女性のほうが優秀な人が多いけど結婚や出産で退職してしまうから、後伸びする男性のほうを採る」という声。日本ではまだ、能力が高いのに落とされている女性が多いということだね。確かに以前は結婚後に主婦になる女性も多かったけど、皆の世代は変わってきているよね。

ピアノの鍵盤の上に一対の結婚指輪
写真=iStock.com/PierreOlivierClementMantion
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【安田】私はまだ2年生ですが、友達とは結婚の話はほとんどしないですね。どんな職業に就きたいかって話題ばかり。結婚より先に「働きたい」っていう気持ちが強いんだと思います。

【高杉】同じです。結婚は付属品っていうか、企業でキャリアをつくっていく中の一部でしかないっていう感じですね。どう働くかっていう話がメインで、そもそも専業主婦になりたいかどうか自体、話に出ないです。