足りないのは、「とりあえずやってみる」精神

言い方を変えれば食わず嫌いなのよね。まあ、ここで出した例は、友達と遊ぶときにこんなこと言ってるから極端に見えるけど、自分一人のことになると意外とこれぐらい食わず嫌いになる人いるのよ。

精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)
精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)

アテクシも最近料理にはまっているんだけど、実は最近まで料理なんてやったことなかったのよね。なぜかっていうと、アテクシが極めて不器用なのと、大昔パスタを作ろうとしたらレシピ見たのに大失敗した経験があるから。だから自分には料理は合わないんだって思い込んでたの。

でも食べるのは大好きだし、料理ができる人に憧れがあった。コロナであまり外出できないことも重なって試しに親子丼を作ってみたのよ。これが意外と簡単だったし、美味しくできた。さらに「あ、ちょっと水っぽかったかも。今度もっとツユ少なめにしよう」だとかいろいろ工夫したいなとも思えてきたのよ。

結局今では立派な趣味で、面倒くさいどころかストレス発散の一環として料理をつくるぐらいになったわ。これも「自分のご機嫌をとる方法」の一つよね。

思いついたらとりあえずやってみる。これはとっても大切な基本事項です。

「自分の気持ちを観察」する

そしてもう一つの基本事項は、自分の気持ちが軽くなったのか重くなったのか、しっかり観察すること。世の中には自分の気持ちを観察することがおろそかになっちゃう人っているのよね。外部の刺激にとらわれて、自分の気持ちがどうなのか忘れてしまう人です。もうちょっとわかりやすくするために少し例を出してみるわね。

たとえば、ある人が自分の趣味として合唱団サークルに入ったとしましょう。歌は好きだから当然合唱団サークルも楽しいだろうと思って入ったわけよ。でもそのサークルは人間関係が面倒だし、いろんな雑用も多い。気がついたら、むしろストレスの元になっていたわけです。

こういうときに自分の気持ちを観察するのが得意な人は「あー、ここにいるとかえってストレスじゃん。やめよやめよ」となるんですが、これが苦手な人は「なんだか最近疲れるよなー」ぐらいで終わってしまう。

こういう人は、何か自分の行動を変えたら、それによって自分の気持ちがプラスに働いているのか、マイナスに働いているのかしっかり見てあげましょう。

Tomy(とみー)
精神科医

1978年生まれ。某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。ゲイである自分に何か答えをくれるかもしれないと精神科医局への入局を決意。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックの常勤医。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『失恋、離婚、死別の処方箋 別れに苦しむ、あなたへ。』(CCCメディアハウス)など著書多数。