原因不明の「不育症」も多い

妊娠はするものの、2回以上の連続する流産、または死産などで赤ちゃんを得られない状態を、不育症と呼びます。年齢はひとつの大きなリスク因子ですが、それ以外の原因については検査をしても原因が明らかにならない場合も多いといいます。

「不育症の治療は、リスク因子がどのくらいあるかを検査することから始まります。糖尿病や甲状腺機能の異常、子宮形態異常、また血液がかたまりやすくなる血液凝固異常などは、流産、早産のリスクを高めることがわかっていて、不育症のリスク因子とされます。ただし、こうした検査をしても原因がわからない人は、約半数にも上ります。その場合、おそらくは受精卵の染色体異常が原因での流産がたまたま続いてしまったと考えられ、その頻度は年齢と共に上昇します」

女性医師
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2回連続して流産をした場合は精密検査を

実際、2回連続で流産をした人も、3回目以降の妊娠で約80%が出産に至っているそう。

「一般的には連続して2回以上の流産、死産がある場合に検査を行います。3回の流産があれば、必ず検査を受けることをおすすめします。が、2回、1回でもご本人の希望があれば、精密検査をすることは可能です。原因がわからないことも多いですが、それでも不安なままで次の妊娠に向かうよりストレスが軽減できる、という考えもありますね。検査は、一般的な産婦人科より、不妊専門クリニックなど不育症を扱っている医療機関で受けるのがおすすめです」

一般的には流産回数には、妊娠反応は出たものの胎嚢確認前に生理が起こる、いわゆる「化学流産」は含まれませんが、不妊治療の現場では妊娠回数と捉える場合もあります。診断は、流産回数のほか、流産した週数、年齢も考慮しながら総合的に行われます。