攻めのロールモデル、守りのアンチモデル

とはいえ、もちろんロールモデルを持つことも重要です。

「ロールモデルの効用はわかっているけど、アンチモデルと違って身近にいないから、困ってるんでしょ」と突っ込みたくなる人もいるでしょう。ならば、アンチモデルと同様に、複数の人物からの断片的な「いいとこ取り」でもかまいません。

あるいは、社内や身近な人に限定する必要もありません。取引先やセミナーで出会った人でもいいですし、感銘を受けたビジネス書の著者でもいいのです。

もっといえば、京セラの稲盛和夫さんや日本電産の永守重信さん、ソフトバンクの孫正義さんのような名経営者でもいいですし、歴史上の偉人だっていいのです。

ロールモデルが40代のキャリア形成のための「攻めの方策」だとすれば、アンチモデルは「守備的方策」。その両方を持つことが、あなたのビジネス人生の支えになってくれるのです。

大塚 寿(おおつか・ひさし)
営業・人材コンサルタント

1962年群馬県生まれ。リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修、営業コンサルティングを展開するエマメイコーポレーション代表。著書に、『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』『法人営業バイブル 明日から使える実践的ノウハウ』『50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方』(以上、PHP研究所)や、『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)など多数。