わが子の発達障害で悩んだことがないと言い切れる理由
具体的に考える際に必要なのは、やはり知識です。
私の長男は3歳の時に発達障害(自閉症スペクトラム)と診断され、いま発達を支援する療育施設に通っています。来年からは小学校の支援級に進学する見込みで、通常の進学ルートは見込めないと予想しています。
その関係で、発達障害の子を持つ親の話を聞くことが多いのですが、悩んでいる人は多いんだなと感じます。
中には、障害を認めたくなくて児童精神科を受診させないとか、療育を受けさせない親もいるそうです。結局適切な療育が受けられず強引に普通級に入れられ、学校でついていけないとか友達ができないとかで、いじめや登校拒否といった二次障害を起こすケースは少なくありません。
あるいは保育園や学校から「診療を受けてみては」と言われたら、「ウチの子が障害児だというのか!」などとキレる親もいるらしく、その手の発言がタブーとなっている保育園もあると聞いたこともあります。
しかし私は長男のことで悩んだことはありませんし、今でも気にしていません。それは、前述の項目に到達することがないからです。そもそも脳機能のアンバランスさですから、病気でもありません。
2歳になってもほとんど発語しなかったこと、熱性けいれんで救急搬送されたとき、医師から「知能の発達に問題が見られる」と指摘されていましたから、発達障害の特性と対処方法、そして発達障害者が活躍できる道はどのようなものがあるか」を調べていました。
だから3歳の時に診断を告げられた時も「そうですか」ぐらいのことでした。
悩みを希望にかえる方法を持とう
「知識を増やす」ことは大切です。
知れば知るほど、自分の外側には広大な世界が広がっていて、解決方法があることがわかる。仮に解決できなくても、気にならない環境をつくる道があるとわかる。「そんな生き方があるんだ」「そうやってもいいんだ」という安心感が得られる。
すると、悩みは絶望ではなく希望に変わります。
発達障害についても同じで、知識が増えれば彼らの特性や傾向がわかり、対処方法がわかります。
むろん障害の出方は人によって千差万別なので一概には言えませんが、わが家の場合、人は誰しも長所と短所を持つデコボコ(凸凹)の存在であり、発達障害児はその乖離が大きいだけだから、必要なのはボコ(凹)の部分は生活に困らない程度に底上げし、デコ(凸)の部分を伸ばしてあげることだと認識しています。
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1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。