「雨の日が憂鬱」にならないアイデアをもっているか

たとえば、雨の日が憂鬱という人がいます。

そうした人は、「じめじめしている」「洗濯物を干せない」「外に行けない」「服が濡れる」「傘を持つのが面倒」「どんよりとしているので気分が沈む」といったネガティブな印象を理由に挙げます。

ただ、そのネガティブな印象は「天気は晴れのほうが良い」という思い込みや固定観念、「天気は晴れでないとイヤだ」という執着から来るものですから、発想の転換をしてみることです。

たとえばこういう考え方はいかがでしょうか。

「晴れの日は晴れなりに、雨の日は雨なりに楽しもう」

そこで、どうすれば雨でも楽しめるかを考えると、たとえば濡れてもいいように着替えを持っていくとか。あるいはおしゃれな防水靴と雨がっぱを買って外に出かけたくなるようにするといったアイデアが出てくるでしょう。

つまり、環境変化を楽しめるように発想を転換するわけですが、これこそ「問題解決能力」にほかなりません。

「雨で憂鬱」から「どうすれば雨でも楽しめるか」という思考チェンジは、他にもたとえば「このつまらない作業をどうすれば楽しめるか」「このしんどい状況をどうすれば楽しめるか」など、日常のさまざまな場面で応用が利きます。

こうしたアイデアが出ないと、自分の思い込みに縛られて気分が落ち込んだり、環境変化の影響をモロに受けて変化に翻弄されてしまいかねません。それでは外的環境に自分の幸福感が左右される脆弱な状況のままです。特に雨が多い日本に住んでいるのに、雨が降るたびに「今日も雨か。憂鬱だな」と嘆く人生はつまらないでしょう。

だから自分の力ではどうしようもできない変化や状況については、その環境下でどうすれば楽しめるか、という「アイデア出し思考」へとスイッチする必要があります。

「アイデアマンは悩まない」という言葉を聞いたことがありますが、まさにそういうことなのだと思います。

結局のところ、それほど困ったことにはならない

不安や悩みを解消する方法の一つは、その先にどういう困ったことになるのか、そしてその結果、本当に立ち直れないぐらいの困った結果になるのかを具体的に考えることです。

その際、「何がなんでも避けたいこと」「この状況はいくらなんでも絶望する」というラインを引いておきます。そして、そのラインを超える状況は本当にやってくるのかを想像してみる。どんなことにも動じず淡々としている人の多くは、常に最悪の事態を想定しています。

このようにして、具体的に考えれば考えるほど、それほど困ったことにはならないと気づくことのほうが多いはずです。

たとえば私自身の「人生でこれだけは避けたい」リストをご紹介します。

最上位ランク

自分や自分の家族が死ぬこと
他人を死なせること
禁固5年以上の刑事罰を受けること

次点ランク

自分や自分の家族が大けが・大病をすること
家族との離別
他人に大けがをさせること
訴訟で明らかに負けるような犯罪を犯すこと
今まで築いた財産をすべて失うこと

このように定義しています。

そして、自分が抱えている悩みや不安は、これらにつながるかどうかを考えてみる。

すると、ほとんどの悩みはここまで到達することはないので、「気にしてもしょうがない」という判断になるわけです。

ママ友に嫌われても、学校からモンペ(モンスターペアレンツ)扱いされても、明日のプレゼンで失敗しても、受験に失敗しても、嫌みな上司と険悪になっても、会社をクビになっても、会社のお局から無視されても、長年の親友とケンカ別れしても、前述の事態にはなりません。だから悩みにはならないのです。