「ジョブ型人事」が話題だ。フリーランスのプロ人材は、その最たる存在だろう。アメリカでは近い将来、フリーランス人口が正社員を抜くと言われている。日本でも、そんな時代が来るのだろうか――。
フリーランサー女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/hamplifezy@gmail.com)

正社員ゼロ、ジョブ型人事の最前線

ウィズ・コロナ時代、従来のビジネスモデルや働き方が大きな転換点を迎えている。その1つの事例が前回紹介したECサイトでヘルスケア商品を販売するMEJだ。

同社は正社員をなくし、フリーランスのプロ人材と業務委託契約を結び、フルリモートと出退勤自由という働き方を実現し、コロナ禍でも売り上げ5倍の急成長を遂げている。

こうしたフリーランスの働き方は日本にも広がっていくのだろうか。同社の古賀徹社長がこの形態に踏み切るきっかけになったのが2016年、アメリカのシリコンバレーでの経験だった。

「シリコンバレーでは、アメリカは10年以内にフリーランスが正社員の数を上回る時代になると言われていました。その背景にはアメリカは新卒、中途にかかわらず基本的にどんなスキルを持っているかを評価して採用するジョブ型人事があります。日本のように新卒一括採用方式もなければ、入社後も年功に関係なく実力でしか評価されないドライな仕組みです。そうした社会で育った人の中には、フリーランスで働く人が増えている。社長1人で全世界の優秀な人材にいろんな業務を委託して成長している企業もあると聞きました。これはすごい時代が来るなと感じましたし、日本でMEJがその方向に舵を切れたのはこの時の経験が大きかったと思います」