自己肯定感とは、自分にダメなところがあっても、自分は自分でいいと思える感覚。しかしストレスが増えると、本来自己肯定感の高い人も、つい他人と比べて自分は劣っていると考えてしまう傾向にあるそうです。そんな状態で「ダメ出し」されると、いつもより強く反応し、ダメージも大。敏感になった自分の心を整える方法を精神科医で産業医としてもご活躍の井上智介先生に教わりました。
オフィスの机の上で重ねた両手に頭をのせる若いビジネスウーマン
※写真はイメージです(写真=iStock.com/PeopleImages)

60点でOKと思える人の強さ

自己肯定感の高い人は100点満点の姿を目指すのではなく、60点ぐらいの自分でもそれでいいよね、という感覚を持っている人。例えば何か企画を提出する際でも、60点でOKと思って提出するので、ダメ出しされたとしても精神的なダメージは小さく、ダメ出しの内容をしっかりと反映して完成形へと前向きにブラッシュアップしていけるのです。

一方、自己肯定感の低い人は、100点満点を出さないと自分が評価されないと思っている傾向があります。その前提でスタートしているため、失敗したときやダメ出しされたときのダメージが大きくなってしまうのです。そうすると、「自分は本当にダメなんだ」と能力を否定し、「ここにいても意味がない」と自分の存在まで否定することになって、いいことは何もありません。

そんな状況に陥ったときに、心を整える方法を3ステップでご紹介します。