搭載されればビジネスがガラッと変わる、注目の新機能とは

【原田】日本では未搭載のもので、他国のTikTokでは存在する注目すべき機能はありますか。

【小島】まず、EC機能です。中国ではTikTokのアプリ上でショッピングができる機能がついています。インフルエンサーがかっこいい服を着て、音楽に合わせて動画を投稿すると、見た人がそれをタップしてそのまま商品が買える仕組みです。

また、ライブ配信もできます。ライブ配信しながらコスメの紹介をして、はいどうぞというような。オースティンという中国人のインフルエンサーは、年間100億円ほど稼いでいるそうです。ライブ配信には「投げ銭」機能も付いています。日本だとイチナナライブやポコチャさんというところがやっているサービスを標準装備しているので、今後日本でもできるようになると思います。

【原田】日本でもすでにライブ配信している人はいますか?

【小島】はい、段階的に解禁され始めています。

【原田】日本でEC機能はいつごろ追加される見込みですか。

【小島】いつ頃かは今のところ分かりません。中国ではTikTok上のECはアリババの「タオバオ」と提携して可能になったのですが、日本でもTikTokがどことつながるかによるのではないかと考えられています。

【原田】そんな機能が付いたら、TikTokに対する企業の見方も変わってきそうですね。

【小島】間違いなくそうですね。近い将来動画の時代になるということと、SNSでショッピングをするようになるということについては間違いないと思うので。Instagramでもすでにそうなっています。

【原田】TikTok人気への恐らく対抗策としてインスタがリールというTikTokに似たサービスを始めましたが、これは具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。今後どうなっていくと予測していらっしゃいますか?

【小島】縦型で短尺で音楽をつけて投稿できるという点で、TikTokとはほとんど同じ機能をInstagramが展開するようになりました。ストーリー機能と同じようにリールも徐々になじんでいくとは思いますが、現状では「Instagramの世界観にリールは合わない!」というユーザーの生の意見も多数聞こえてきていますね。YouTubeも縦型動画への対応を進めていますし、競争環境が激化することでショートムービーというフォーマットはさらに盛り上がっていくのではないかと思います。ただ、やはり最初からショートムービープラットフォームとして設計され、爆発的に伸びていったTikTokに優るUX(ユーザー体験)を提供するのはいくら大手のSNSだとしても難しいのではないかとは推察します。

【原田】なるほど。これから色々な写真・動画プラットフォームの戦国時代に突入していくわけですね。競争が激しくなると機能やサービスもどんどんレベルアップしていくでしょうから、もっと生活者の動画投稿のバラエティは増え、盛り上がっていくでしょうね。僕もちょろっとTikTokやっているけど、本気で頑張ってみようかな……。

構成=藍羽笑生

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。信州大学特任教授。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」「Live News it!」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。「原田曜平若者研究所」のYouTubeチャンネルでは、コロナ禍において若者の間で流行っていることを紹介中。

小島 領剣(こじま・りょうけん)
Natee 代表取締役

早稲田大学国際教養学部卒。2016年にビズリーチに新卒入社し、新規事業のプロダクト開発にエンジニアとして携わる。ショートムービーの勃興と、個がメディアになり活躍する未来を強く信じNateeを創業。