大切なのは「比べてしまった後」、どうするか

代わりに、比べてしまった後にどうするかが肝心です。

誰か(何か)と比較した後は、自分がその人より苦手なところ、劣っている部分などが気になり始めますよね。

そして、少しでも追いつこうと必死に努力をする人もいるでしょう。

もちろん、それ自体は悪いことではありませんが、現実には、みんながみんな、その差や違いを埋められるわけではありません。

そして、その埋められない現実に「やっぱりあいつには追いつけないんだ」「自分は負け組なんだ」と、自らを強く非難してしまう人も多いのです。

これこそ、注意してほしい点です。

そもそも、ロボットでもない限り、自分と全く同じ人間などこの世にいません。

他の誰かと、得意・不得意に違いがあって当たり前です。そして、違いこそが個性であり、個性があるからこそあなたはあなたであり、唯一無二の存在なのです。

100%の正しさなど誰も持っていない

そして、一人ひとりに個性があるからこそ、誰かと意見がぶつかるものです。一般的には、自己肯定感が高い人とは、「他人の意見に同調しすぎることはなく、自分の意見もしっかり述べることができる人」という印象ではないでしょうか。

おおむね正しいのですが、残念ながら、これを間違って解釈している人もいます。

その代表例が、「自己肯定感が高いと、しっかり自分の意見を持っているから、相手の間違いを指摘できる」という勘違いです。

「自分は正しくて、相手が間違っている」というような、0か100かでしか物事をとらえられない状態は、決して自己肯定感が高いとは言えません。

この世の中には、(法律的なことは置いておくとして)「どちらかが100%正しい」という物事は案外少ないものです。

特に、グレーなことを判断する時には、どうしても人それぞれの価値観や個性が影響します。今までその人がどのように生きてきたかが反映され、優先順位も変わり、答えが一致することのほうがまれなのです。