頑張らなくても散らかりようのない仕組みを作る

私は片付け本も出しているので、片付けに関する取材を受けることがあります。そのときに共通して聞かれるのが、一時的にきれいに片付けることはできても、片付いた状態を保つのが難しいがどうしたらよいか、ということです。

勝間和代『勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)
勝間和代『勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)

私は2015年の終わりに片付けをして汚部屋を脱出して以降、2020年6月現在、およそ4年半、ずっと片付いた状態を保っています。その理由は単純で、散らかるペースよりも、片付けるペースのほうが速いからです。

逆に、散らかるペースのほうが速いと、気づくと散らかっていて、気合いを入れて片付けなくてはいけなくなります。なんとか片付けたとしても、片付けるのは大変で面倒くさい、というイメージが色濃く残るため、すぐまた片付けなくなります。それで、気づくと散らかっている、という状態を繰り返すのです。

これは、ダイエットのリバウンドに非常によく似ています。ダイエットは、1週間とか1カ月とか、集中的に頑張ってすることが多いですよね。でも、頑張って無理した分、あとで食欲が暴走してカロリー摂取が過剰になりがちで、その結果リバウンドしてしまいます。

一時的に頑張って片付けをしても、片付いた状態を保てないのも同じ仕組みです。要は、頑張らなくても散らからない仕組みを作らないといけないわけです。その、頑張らなくても散らからない仕組みとは、整理整頓する必要がないほど、ものを減らすことと、使ったらすぐ片付ける、ということがポイントです。

最低限のものしか置かず、リアルタイムで片付ける

うちは、食器の数をすごく少なくしています。普段、使っているのはお皿2~3枚で、多くて4枚。この数枚を出し入れするのに、もし棚の中に何十枚もお皿があったら、ほかのお皿をよけたり、一度取り出したりして、手間がかかります。当たって欠けたり、落として割ったりする確率も上がるでしょう。それも、全体数を少なくすることで防げます。

調理器具も普段よく使う、最低限のものしかありません。包丁は同じ大きさの穴あき包丁が3本あるだけで、それで肉、野菜、果物、チーズもなんでも切っています。

洗剤やトイレットペーパーなどの買い置きするような日用品は、使用中のものの残量が半分以下になったら買うようにしています。それ以上のペースで買い足すと、在庫が増えすぎて管理しにくくなるのでおすすめしません。

食器や調理器具は、使ったらすぐ洗うのを基本にしています。あとでまとめて洗うことにすると、何倍も労力がかかって、洗い物に対するハードルが上がってしまいます。

私はウォーターオーブンを愛用していますが、肉や魚を焼いて、庫内の油ハネや臭いが気になるときは、使用後すぐに庫内を掃除する自動機能をオンにします。それをすぐすると汚れが溜まらず、あとで軽く拭き取るだけで済みます。すぐにしないで放置するから、どんどん汚れが溜まってしまうのです。

同じように、私は新聞もリアルタイムで片付けています。読んだらすぐ新聞置きに持っていくか、鳥を飼っているのでカゴの掃除に使います。そして、新聞置きの半分のラインを超えたら、そのままマンションのゴミステーションの新聞置き場に持っていきます。だいたい、10日に一度のペースでそうしています。それ以上溜めると紐で縛ったり、重い思いをして運んだりしなくてはいけないなど、やはり手間がかかるのです。