昇進や昇給だけでは得られないこと

もちろん、給料が上がったり昇進したりするのは嬉しいことですが、私たちの生活に直接幸せをもたらすか、といったら、それはちょっと違うんですね。

それよりも、いつも部屋がきれいに片付いていて、キッチンに行くとおいしいご飯や飲み物を作ることができ、着るものはちゃんと洗濯された清潔な服で、ベッドのシーツやカバーがパリッとシワが伸びていて気持ちいい、というほうが絶対幸せなのです。

そうした空間と時間は快適そのものでストレスフリーですから、体と心の疲れをリセットできるので、仕事に対するモチベーションが上がることも実感できます。

家事は仕事よりも「下」という認識を改める

以前は、最低限の家事すら面倒くさいと思いながらやって、散らかった家で適当なご飯を食べて、適当な服を着て、適当な寝具にくるまって寝ていました。それで疲れがリセットされるわけでも、パワーがチャージされるわけでもないので、仕事のモチベーションも上がるわけがありません。

パワーチャージされていれば、集中できて1時間で済む仕事が、3~4時間かかってしまう→仕事に長く時間がかかるから、家事をする時間がなくなる→片付いていない→家にいてもパワーチャージできない→それで仕事をしても効率が上がらない、という悪循環を繰り返していました。

ロボット掃除機のルンバが、充電が切れそうになるとチャージステーションに戻って充電するように、私たちも家に戻ったら、気持ちよくて和やかな時間を過ごすことで充電でき、その状態で働くからこそ効率が上がります。つまり、仕事でより成果を上げるためにも、家事の充実は不可欠なのです。

家事をうまく回す仕組みをつくることが大事

かつては、家事を専門にする専業主婦が、衣食住の快適性を守っていました。ところが共働きが一般的になって、独身者も増えた今は、1人1人がちゃんと家事をして、快適な生活のために貢献をしていかなければいけない時代です。ただし、調理器具やロボット掃除機などの最新家電を利用すれば、大した労力をかけずに、確実にできることなのです。

家事は、工夫のしがいがいくらでもあるので、始めるとハマります。私が家事をする中でいろいろなことを試して気づいたことは『勝間式超ロジカル家事』(アチーブメント出版)という本にまとめました。Kindle版もあるので、興味がある方はそちらをご覧になってください。

どんどんおいしいご飯を作れるようになって、片付けも上手になると、家に人を呼ぶ機会が増えます。また、クローゼットはいつも整理されているからオシャレするのが楽しくなります。一度、家事をうまく回す仕組みを作ってしまうと、仕事のやりがいがあろうがなかろうが関係なく、毎日だいたい幸せでいられます。

家事は仕事よりも「下」という認識を改めましょう。家事と仕事は同列か、むしろ家事のほうが上であるという認識を持って生活すると、人生がより楽しくなると思います。