失敗や間違いこそが“3Dの人生”をつくる
私は子ども向けのパソコン教室のお手伝いをすることもあるんですが、ほかの子が作ったロボットは前に進むのに、自分のロボットは前に進まないというお子さんもいます。親としては、スムーズに動いてほしいかもしれませんが、それだと学びが少ないし、頭にも残りません。
うまくいかなければ、どうして進まないのか調べるでしょう。プログラミングがおかしいのか、ロボットを形作っている段ボールに不具合があったのか考え、いろいろ試して試行錯誤します。子どもにとっては、学ぶ機会がたくさん与えられるわけです。
私は40代の頃、英語学校に通っていたことがあるんですが、1年間通った最後の授業で、なんと私が「素晴らしい生徒」として表彰されたんです。なぜかというと、私が1番多く間違えたから(笑)。
先生はこんなふうにおっしゃったんです。
「たくさん間違えたことで、若宮さん自身もたくさん学ぶことができたと思います。それだけでなく、一緒に勉強した仲間も、若宮さんが間違えているのを見て『あれは間違っているんだな』と勉強になったはずです。さらに教える側の私も『こう教えるとわからないんだな』と勉強になりました。ですから、クラスに一番貢献したのは若宮さんなんです」
もし一生を振り返ったとき、第一志望の学校に受かり、自分の希望した会社に入ることができ、結婚もしたいときにすぐにできて、何の失敗や挫折もなかった人生だと、“3D”にはならないと思うんです。いろいろな失敗や間違いがあって、でもみんなに助けてもらって、山あり谷ありの“3Dの人生”をおくったほうが面白いんじゃないの? そう思うんですよ。