ストレスに強い人の特徴2:全体把握感

これは全体のプロセスをざっくりと見通せる感覚です。つまり自分の身の回りで起こることは、だいたい想定の範囲内かなという感覚を持てている人は、精神が安定していて、ストレスに強い。

たとえば、今回のコロナ問題なら「何となくだけど、10年後は続いていないだろう」とか、仕事であれば「あと3週間ぐらいで、しんどいのは終わるな」とか……。

この全体把握感がないと、未知のものが多すぎて、閉塞感を強く感じます。自分が暗闇に閉じ込められている気持ちになり、やがて精神的にダウンしてしまうことが多い。やはり全体を見渡せる能力がある人は強いなという印象です。

この感覚を高めるポイントは、先が見えなくなったときにいったん立ち止まって、自分が把握できていないところはどこかを考えること。そして、わからないことに関しては、自分でできる範囲で調べる、解決してみるということです。

ただし今回のように、誰もが先行きの見えないようなときは「やってみるしかない」という当たって砕けろの意識も大切です。全体把握感のある人は、コロナによってこれまでになかったような初めての状況に直面しても「対応していくしかないよね」と思ったはず。そうして新しいことを経験するごとに、「想定の範囲」が広がっていくのです。

ポイント3:経験的処理感

これは今までの経験からいって「ここまでならできるけど、この先はわからない」ということが一瞬でつかめる感覚です。つまり、ここまできたら、誰かに助けを求めたらいいんだな、ということが分かっている人は、本当にストレス耐性が高いです。

今回のテレワークに関していうと、急に環境が変わって、ここまでの環境は自分で整えられるけど、この先は誰かに聞かないと無理だなと自分でわかっているということ。無理なら誰かに助けを求めることが必要で、それができない人は一人で抱え込んでしまい、精神的に不調に陥っていくのです。

経験的処理感を高めるのも、全体把握感と同様に「当たって砕けろ」精神で、ある程度経験し、自分の中のできる範囲を客観的にみていく必要があります。

急にテレワークになって、最初は「どうなっちゃうんだろう」と思った人も、やってみると「意外にできる」と思えた。これも経験的処理感を高める行動なのです。