やめた人と続けた人、数カ月で大きな差

セゾン投信の2つのファンドを実例に振り返ってみましょう。コロナショック相場直前だった2020年2月21日時点での両ファンドの基準価額はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(SVGBF)が1万6232円、セゾン資産形成の達人ファンド(達人F)は2万4506円でした。

【図表】セゾン投信の2つのファンドの基準価額推移

それから約1カ月後に両ファンド共に安値を付け、この間の下落率はSVGBFがマイナス約17%、達人Fは約30%のマイナスでした。そしてその後の両ファンドの基準価額は7月22日付でSVGBF1万5794円、達人F2万3273円と下落相場直前からそれぞれ約3%マイナス、約5%マイナスの水準までしっかり回復しています。

底値圏で投資をやめてしまった人と、下落局面をどっしり乗り越えた人とでは、たった数カ月の間にこれだけ大きな差がついてしまっているのです。今回の下落相場に耐えきれなかった人は、この残念な体験をこれからの経験知として、改めてコツコツと長期積立投資で再出発してみてください。ここまでの運用果実は得られずとも、「継続は力なり」を肝に銘じていれば、これから先の果実はしっかり取り込むことが出来ることでしょう。

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中野 晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信 創業者

1963年生まれ。東京都出身。明治大学卒業。1987年、現在のクレディセゾンへ入社。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用のほか、外国籍投資信託をはじめとした海外契約資産等の運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾン インベストメント事業部長を経て、2006年にセゾン投信を設立。2023年6月に代表取締役を退任。セゾン文化財団理事。著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)などがある。