「上質なものだけ欲しい」キャリア女性の理想形バッグとは?

しかしながら、先に挙げたように働く女性にとってバッグとは、真っ先に目に入り、通勤服の主役といっても過言ではないほど重要なアイテム。なにも語らずとも持ち手の人のことを伝えてしまう名刺のような存在なのだ。センスのないデザインや、機能だけによりすぎたバッグによって、実際どんなに仕事ができたとしても見た目の印象でイメージダウンしてしまっては、あまりにもったいない。とくにキャリアにとってはこれみよがしにならないリッチ感や品格なども重要だ。

そこで、PWがバッグのコラボ相手として希望したのは以下の5つの条件を実現してくれるブランド。

1 上質なバッグにこだわっている
2 サステナブルなものづくりをしている
3 容量、重量の悩みを解消してくれる
4 「かゆいところに手が届く」機能性に気を配っている
5 デザインを妥協しない

メモリアルな企画としてPW編集部としても妥協はしたくない……といいつつも、現実的にここまで理想を形にしてくれるブランドがあるものだろうか……。ファッションエディターを含め、最高のバッグをお願いできるブランドについて熟考した。

そこで真っ先に名前が挙がったのが日本発のバッグブランド“トフ&ロードストーン”。ミニマルかつ洗練されたデザインと上質な素材感で働く女性にとくに人気があり、有名セレクトショップでは必ずといっていいほど並んでいるので、すでに知っている人も多いだろう。通称“トフ”と呼ばれ、ファッション業界をはじめとし、働く女性に絶大な支持を受けるブランドだ。PW編集部は、早速ブランドとの交渉を試みた。

働く女性に人気のブランド、“トフ&ロードストーン”とは?

ミシンで縫う工程

トフ&ロードストーンがコラボ先として挙がったのには、いくつかの理由がある。まず、“トフ”がモノづくりに対してとても誠実なブランドだということ。デザインから裁断、縫製、検品まですべての工程を日本国内で行い、細やかなものづくりを実現している。さらには上質な素材を使用し、技術の高い職人がつくるそのバッグは、持つ人の格をぐっと高めてくれるのだ。

次に、使い手である私たち女性を第一に考えてくれているということ。ファッションアパレル出身のデザイナー坂井一成氏によって立ち上げられ、今年で15周年を迎えた“トフ”だが、持つ人の立場に立ったものづくりには当時から少しのブレも見られない。着こなしに寄り添うデザインやかゆいところに手が届くポケットなどのディテールに加え、平均価格がどれも5万円ほどかそれ以下というのが企業努力によって実現しているのも嬉しい。まさに“レディーファースト”なバッグだ。

そしてブランドのアイコンでもある真鍮の金具は水道の蛇口などのリサイクルで、手作業で一からオリジナルの型で作成しているという徹底ぶり。さらには坂井氏が築く思いやりの深いパートナーシップにより、働く人の環境や工程にも配慮した現場が自然と出来上がっている。サステナブル意識の高さも先進的かつ魅力的だ。

そこで「本当にいいものを皆さんに届けたい」とPWのための完全オリジナルのバッグ製作をお願いしたところ、快く承諾をいただき、今回「理想のお仕事バッグ」を作成するコラボ相手として“トフ&ロードストーン”が決定した(トフ&ロードストーンについてさらに詳しく知りたい方は、ブランドの歩みやストーリーが分かるHPへ)。

アイコンでもある真鍮の金具

アンケートの結果からもわかるように、PW世代はたくさんの荷物を収めることに必至で、デザインや軽量化をあきらめている人が多かった。けれど、バッグは働く女性にとって名刺代わりにもなるような大切な存在。パッと見た瞬間あなたの品格が相手に自然と伝わるようなデザインで、なおかつ使っていて心地のいいものでなければ意味がないのだ。

管理職であればなおさら、センスのいい「理想のお仕事バッグ」が必要不可欠。いよいよ次号、2020秋号(9/28発売予定)では完成品を披露……の前に、完成までのプロセスや発売開始日のお知らせはPWオンラインを要チェック!

乙部 アン(おとべ・あん)
フリーエディター/執筆家

新ファッションウェブマガジン「LIV,」女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。アメブロやnoteなどのブログでは、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・ライフスタイル・独自の人生哲学を発信。