第三者からの意見も収集しておこう

また、関係者以外の方に、サンプルを使用してもらうこともお勧めします。第三者の意見は、重要な判断材料になります。その時、全体の使用感を確認しましょう。商品のウリ以外のところに課題があり、使わなくなるケースがあるからです。例えば、調理器具の中には、簡単に調理ができても、洗う手間がかかるものがあります。そうした調理器具は、一度使っただけで終わってしまいます。

福山誠一郎『すごいテレワーク アイデア&成果を2倍にする方法』(PHP研究所)
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サンプルを渡してから、しばらく経った後で、「あの商品の使用感はどう?」と聞いてみるとよいでしょう。「まだ使っていないな」「3日くらい使ったけれど最近は使ってない」などの意見が多く出た場合は課題が潜んでいると思ってください。

商品を検証する際に、もう一つ重要なことがあります。サンプルを渡した方々が、その後、お金を払って購入してくれるかどうかです。無料であれば、概ね、よい反応を返してくれますが、お金を払うとなると話が変わってきます。サンプルを使った後に、「どこで買えるの?」と誰からも言ってもらえないようであれば、再度、見直す必要があります。

念のため書いておきますが、検証を依頼した方と商品のターゲット層との間に、隔たりがないようにしておきましょう。例えば、普段、高価な商品を使う人に低価格帯の商品について意見を聞くことは、正しい方法ではありません。逆もしかりです。

広告も第三者に意見をもらうことを忘れないように!

広告についても、皆さんのほかに、関係者以外の方に確認してもらうことをお勧めします。関係者が広告内容を確認する場合、彼らは仕事として確認します。細かい文字が多くても文章をしっかりと読み、内容についてフィードバックをくれます。中には、画面を拡大しながら読んでくれる親切な方もいます。しかし、実際のお客様は、そのようにしてまでは読んでくれません。第一印象、読みやすさなどを、関係者以外に確認してもらいましょう。

商品や広告を事前に確認する必要性を述べた理由は、皆さんがいくら優れたアイデアを出したとしても、商品が売れなければ、皆さんの成果にならないからです。皆さんのアイデアは、成果が出た時に、初めて評価されるからです。

写真=iStock.com

福山 誠一郎(ふくやま・せいいちろう)
マーケティングコンサルタント

JR東日本入社、Suica新規立上プロジェクトに従事。デロイト トーマツ コンサルティングにて戦略系コンサルタント、ディズニーストアのプランナー、凸版印刷にてマーケティングプロデューサーなどを歴任。1700名以上に研修やセミナーを実施。ひとり起業により、コンサルタントとして独立。自宅で考え、発想し、在宅勤務でクライアントの売上を伸ばしている。平日5時間勤務で休日完全オフ、家事・育児をしながら安定経営を実現。