職場における妬み、やっかみにどう対処するか

会社で働いて数年経つと、誰もが気になってくるのが自分の昇進についてです。新卒で入社した会社に生涯勤める「日本的雇用」においては、「入社何年で係長」「入社何年で課長」というように自動的な昇進制度がありました。

しかし、中途採用や転職が珍しくなくなってきた現在では、社歴の長短が昇進に影響するのか、上司のお気に入りが昇進するのか、はたまた実力や人望なのか、どうもはっきりとしないことが多々あります。

そのような中、自分ではなく他人(同僚)の昇進や評価が気になって仕方がないという人がいるのが世の常です。ただ、人の昇進を妬みやっかむ気持ちも、自分の昇進を妬みやっかまれることも、どちらも仕事の妨げとなるばかりか、不要なストレスの原因となってしまいます。

産業医面談を通じて感じるのは、実際に昇進(出世)する人は、妬みややっかみの感情のない世界で働いていることが多いということです。彼らは日頃から、そのような感情と無縁な人々と関係性を構築したり、自分の気分を仕事に持ち込まないようにセルフコントロールしているのです。ここでは具体的な実践法をご紹介します。

役職至上主義の人たちとは、そこそこの付き合いしかしない

役職とはあくまでも業務遂行のうえでの役割です。間違っても、役職の上下は人としての上下ではありません。つまり、上司が人間的に優れているという意味ではないということです。

しかし、残念ながら、職場の役職の上下を人間としての上下と勘違いしている「役職至上主義者」はどの会社にも一定数います。

職場の人間関係に悩まず出世する人たちは、このような人たちにも上手に対応します。自分より上の役職の役職至上主義者に対しては、人としての付き合いはそこそこにして、役職に応じて役職の分だけ「上」として対応します。一方、自分よりも下の役職の人に対しては、役職の区別は明確に保ちつつ、人として対等に接しているのです。