各社、各部署のメソッドが必要
オンラインミーティングが急速に広まったことで、思わぬ副産物がありました。以前よりも沈黙に耐えられるようになったり、一人が喋っているときは全員が耳を傾けるようになったり。これまでの会議では誰かの発言中にもおかまいなしに差し込んでくる人、いましたよね(笑)。オンラインでは、親父ギャグやハラスメント発言も飛び出しにくい。その分、議題を特定しやすくなっているはずです。
一方、定例会議をオンラインで開催してみたら、「これ、何のためにやってたんだっけ?」とその無意味さを発見して驚愕した方も多いはずです。
ミーティングの前には当然、アジェンダを準備する。この打ち合わせで何を決めるのかを前もって決めておく。今後もテレワークを推進し、メンバー同士が適度な距離感を持って働くためには、各企業や部署でテレワークやハイブリッドワーク(出社とテレワークが混在する働き方)のメソッドを作っていく必要があります。
これからは圧倒的な能動性と、成果物の提出が肝になります。能動性がないメンバーは、そもそも居場所がなくなるでしょう。経済が混乱する中で、同時に働き方のパラダイムシフトも起きているのが、私たちが立つ現在地です。いますぐに最適解を見いだし、かためようと気負わなくてもいい。ただし、新しい働き方でいかに成果を出すか、早めに考え、実行していくことが重要です。
写真=iStock.com 構成=浦上藍子
1982年生まれ、静岡県出身。新しい働き方を追い求め、学生起業、家業の清算、会社員としての管理職、パラレルワーク、社内起業を経験する。学生時代に複数の事業を立案し学生起業家となり、パラレルワークを実現。21歳のときに、地元の進学塾を経営していた父親が意識不明となり、10年間に渡って、父親の介護を余儀なくされる。父親が経営していた企業は継続不可能となり、自身の手で会社の清算をすることとなる。その経験から企業経営には「金」以上に「人の経験・知見」が必要であるという考えにたどり着いた。2014年株式会社サーキュレーションを設立。プロフェッショナル人材の経験とスキルを複数社で活かすプラットフォーム(プロシェアリング)を運営している。2020年現在、経営プロフェッショナルのネットワークは1万3000人、導入企業は1500社を超える。