フィンランド流、おすすめの休みの過ごし方10

ここでは、専門家が推奨する効率的な休みのとり方も紹介してみたい。

1 環境を変え、他のことを考えて仕事は忘れる

環境を変えると、忘れやすい。職場から離れ、同僚と会わないことも大事。環境が変えられない場合も、他に楽しい、面白い、集中できることを見つける。仕事のことを考えないとまでいかなくとも、頭の隅に追いやることは比較的簡単にできる。

2 休暇モードに気分を切り替えられるよう、仲間を見つける

笑顔の相手を見ることで、自分も口角があがってくる。つまりミラー現象。そういう仲間のそばにいると、自然とリラックスできて、楽しくもなる。

3 休みのはじめに頑張りすぎない

やらなければならないこと、リストにあることをいろいろと頑張ってやりすぎてしまうより、はじめは休むこと、回復することを重視すべき。

4 デジタルデトックスをせめて1週間

すべてのデジタル機器から最低1週間離れる。

5 携帯やタブレットからの距離をとる

携帯やタブレットは音も電源も落とし、家族に預かってもらったり、ロックをかけたり、依存から脱却する。視界に入らないようにするだけでも、効果あり。

6 楽しい瞬間を写真などで保存する
7 適度な運動をする
8 自分自身にご褒美をあたえつつも、規則正しい生活をする
9 短い休みでも、積極的に休みの気分を作るようにする

例えば、街にでかけてボーッと人間観察をしたり、観光客を見たりする。過去の休みの思い出を、思い浮かべる。

10 休みと活動のバランスをみつける

休みを楽しむことと、日常の改善。どちらにも好きなことや楽しみを入れるといい。

「人間、休みは必要」と皆が理解しあうことが大切

どんな風に休みを過ごすにしろ、心身ともにしっかり休むことで、疲れがとれてリフレッシュし、次に頑張ることができるし、効率を高めることにもつながる。だからこそ年齢や性別、家族の有無にかかわらず、すべての人に休みは必要だ。

フィンランドにいると、休みをとること、そして効率よく休みをとって日々の疲れやストレスを解消することの重要性を感じる。それには、職場や上司の理解や柔軟な対応も求められる。でも総じて、フィンランドにいると「人間、休みは必要」と皆が理解しているのがとても心地いい。

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堀内 都喜子(ほりうち・ときこ)
ライター

長野県生まれ。フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院で修士号を取得。フィンランド系企業を経て、現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる。著書に『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社新書)など。