フィンランド人も長期休み中のメールは気にしてしまう

フィンランドのニュースサイトの調べでは、実は、夏休み中もニュースを読む感覚でメールを一日一回読んでしまうという人が38パーセント、しかも、うち34パーセントが返信もしてしまうと回答している。ただ、メールチェックは周りに気を使って、家族がそばにいない時に、と答えた人が多かった。

もちろん休みの時は、肉体的にも精神的にも完全に仕事から離れて、リラックスしたほうがいいに決まっている。フィンランドの国立労働研究所の研究者キルシ・アホラもインタビューで「ウェルビーイングの観点から、休みの大切な目的は、仕事の疲労からの回復です。休み中にメールを読んでしまうと、きちんと回復できない可能性もあるのです」と語っている。ただ、1カ月が過ぎて仕事に戻った時に何百ものたまったメールを読むよりは、少ないほうがいいという気持ちも理解できるのではないだろうか。

休みに仕事をしない工夫をしよう

では、休みにメールを読まず、できるだけ仕事をしないようにするには、どうしたらいいか。まず一つは先ほども述べた通り、自分の休暇中に仕事をカバーしてくれるインターンやチームメートを決めておくことだ。そうすれば、その人が代わりにメールを読んだり、答えたりしてくれるので、心穏やかに休みを楽しむことができる。「アウト・オブ・オフィス=オフィスにいません」の自動返信に、自分の仕事をカバーしてくれる人の名前を書いておくことで先方も途方にくれることがない。

同時に、緊急の時の連絡方法を決めておくことが大事だ。代理の人や周りの同僚がどうしても連絡をとりたい時、携帯に電話してもいいのか、日本で言うLINEのようなメッセージアプリにメッセージを送ったほうがいいのかなど。もちろん誰もが休み中に仕事の電話がかかってくる煩わしさを知っているので、それはできるだけ避けたい。ただ、スピードが求められる現在、放っておくことのできない案件が緊急ででてくることはある。

私のある上司の場合は、「メールは一切見ないから、どうしても必要な時はアプリでメッセージを送って」と言う。休みは邪魔したくないが、そのメッセージを送ることが許されたことで、オフィスに残っている人たちが助かることもある。最初から「通常のメールは見ないから」と宣言しておくことで、当人も周りも楽になる。こういった取り決めがあることで、経営陣や管理職であってもある程度心配せずに休めるようになり、今までメールを読むことに費やしていた時間を、なくすことができる。