※本稿は、堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。
フィンランド人が4週間の休みをとる理由
かつて、フィンランド人の同僚が4週間の休みをとる理由をこう語っていた。1週目はなかなか仕事から完全に離れられず、頭の中で考えてしまう。2~3週目になると休みを楽しむことができ、4週目になるとそろそろ仕事に戻りたくなる。だから今後の仕事のモチベーションや、心身の健康、ウェルビーイングの観点からも長期の休みが必要なのだ、と。
そして長期休みに同僚が入る時、周りは「仕事もパスワードも忘れて、携帯もメールも見ちゃだめだよ」と声をかけることが多い。誰か一人が長く休みをとるのであれば、周りの人が不満に思ったり、休むほうも心苦しく感じるかもしれないが、みんなが同じぐらい休みをとるので、素直に「行ってらっしゃい」という気持ちになる。
取引先が多少不便を感じたとしても、夏休みの季節だし、自分も休むのだからと、寛容になれる。だが、インターネットや携帯がこれだけ普及している時代に、果たして本当に休み中は仕事から離れられるものだろうか。