嫌われる上司は部下の気持ちより話の内容が気になる

ポイント2:話の事柄よりも、その背景にある「気持ちに意識」を向ける

相手の話を聴くという行為には、「話の事柄に意識を向けて聴く」と「事柄の背景にある気持ちに意識を向けて聴く」という2つのアプローチがあります。

話の事柄に意識を向けるとは、5W1Hで、網羅的に話の事柄に関連する情報を収集しようとするアプローチです。次に、事柄の背景にある気持ちに意識を向けるとは、言葉には出ていない部下の気持ち、価値観などを察しようとするアプローチです。ここでも上司と部下の対話例で、対比してみましょう。

【話の事柄に意識を向けて聴く】
【部下】実は、A社のプレゼンをうまくできるイメージが、持てないのです。
【上司】そうか、それならプレゼンの位置づけと目的、対象を教えてくれるかな。

【事柄の背景にある気持ちに意識を向けて聴く】
【部下】実は、A社のプレゼンをうまくできるイメージが、持てないのです。
【上司】うまくできるイメージが持てないのだね、それは不安だし、焦るよね。

ビジネスでは成果を出すことを求められるので、話の事柄に意識を向けて、成果につながる事柄のアドバイスをするのは、もちろん必要です。一方で、不安や心配になりやすいテレワーク環境下では、「自分の気持ちを分かってもらえる安心感」を部下が特に求めているため、部下の気持ちに配慮したコミュニケーションを意識したほうがよいいでしょう。