紫外線は、髪や頭皮にどのような影響を及ぼす?
髪や頭皮が紫外線にさらされ続けると、どのような影響を受けるのだろう。
紫外線は波長の長いものから「UV-A」「UV-B」「UV-C」に分類されるが、「UV-C」はオゾン層に吸収されるなどして、ほとんど地表に届かない。しかし、「UV-B」は皮膚の表皮に、「UV-A」は真皮にまで届いて髪や頭皮にダメージを与える。
国際科学専門誌『International Journal of Cosmetic Science』に掲載された論文によると、紫外線は皮膚の細胞のDNAを傷つけることが知られており、頭皮の育毛などの機能をもつ細胞がダメージを受けると薄毛につながる※1。
さらに、紫外線によって髪の表面が変色したり、凸凹が生じたりすることで、外的な刺激によるダメージを受けやすい状態になるという※2。
※1 Gherardini J.,et al.Int J Cosmet Sci.41(2):164-182.(2019)
※2 Trüeb RM. Int J Cosmet Sci. Suppl 2:25-30. (2015)
そのほか、白髪は加齢やストレス、栄養バランスの偏った食事、運動不足、血流の悪さなどによって生じるが、こうした要因に加え、色素をつくる細胞「メラノサイト」が、紫外線を浴びることで発生する活性酸素に攻撃されてダメージを受けると、白髪になるという説もある。
実際にバイエル薬品のインターネット調査では、「紫外線によってダメージを受けたと感じる髪の毛や頭皮の状態、症状」について、「パサつき」「ツヤがなくなる」「頭皮が赤くなる」といった回答が多く見られた(図表3)。
さらに、こうしたダメージが気になる理由として、「身だしなみが整っていない印象」「清潔感がない」「健康的でない印象」などが過半数を占めており、紫外線のダメージを受けた髪は、見た目の印象を大きく左右するといえる。
体の外側と内側から、髪のダメージを防ぐ
では、紫外線による髪や頭皮のダメージを防ぐには、どうしたらいいのだろう。
バイエル薬品のインターネット調査では、「髪のために意識して、おこなったり、気をつけていること」として、「悩みにあったシャンプー、コンディショナー、トリートメント剤を使う」「髪をきちんと乾かす」といった外側からのケアを行う人がほとんど。これに対し、「髪の毛によい食べ物を取り入れる」「ヘアケアのサプリメントを飲む」など、体の内側からケアをしている人は少数だった。
しかし、健康な髪と頭皮をキープするには、体の内側からケアすることが必要。紫外線から髪を守るべく日傘や帽子で日差しをカットしたり、トリートメント剤でダメージをケアしたりすることも大切だが、紫外線に加え、偏った食事や睡眠不足、ストレスなども体をサビつかせる活性酸素を増やし、髪や頭皮に影響を及ぼすもの。毎日の食事や睡眠といった生活習慣を見直し、活性酸素の発生を防ぐことが髪と頭皮の健康につながる。